長期滞在者の渡航通知書取得、5月1日から不要に

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年05月07日

在日マレーシア大使館は4月29日、長期滞在パスを保有して入国する外国人に義務付けていた確約書(Letter of Undertaking)の提出と渡航通知書(Travel Notice)の取得を5月1日から不要とすると発表した。

入国前手続き1つ削減

渡航通知書は、入国の3営業日前までに在日マレーシア大使館に確約書を含めた必要書類をメールで送付して取得していた。それが不要になることにより、入国前の手続きが1つ減ることになる。また、5月5日現在、新型コロナウイルス変異株が確認された日本を含む40カ国からの入国者は、政府が指定する隔離ホテル・施設で14日間の強制隔離となる(2021年5月6日記事参照)。同日時点でマレーシア国外から入国する場合の基本的な入国の流れは以下のとおり。

【出発前】

(1)マレーシアの管轄省庁・政府機関からサポートレターを入手

(2)サポートレターを添えて入国管理局長官の入国許可を取得(入国許可申請ポータルサイト「MYEntry外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」でオンライン申請)

(3)入国許可申請の承認後、隔離費用支払いのためのポータルサイト「MySafetravel外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注)を通じて隔離費用を支払い、入国許可書をダウンロード・印刷

(4)出国72時間前以内にPCR検査を受け、英文の陰性証明書を取得

(5)マレーシア入国前までに、政府の健康状態管理用公式アプリ「MySejahtera外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に登録

【入国後】

(6)14日間の政府指定のホテル・施設で隔離

(7)隔離10日目にPCR検査

シングルエントリービザ取得が長期化

渡航通知書のほか、新規駐在員の場合のみ、在日マレーシア大使館に申請する書類としてシングルエントリービザがある。本来、日本国籍者は90日以下の短期渡航ついてはシングルエントリービザは免除されており、入国後の雇用パス発給時に入国管理局外国人サービス部門(ESD)のカウンターで「みなし出国手続き(Journey Performed)」を有料で行えば、シングルエントリービザは不要となっている。しかし、製造業などマレーシア投資開発庁(MIDA)が雇用パスの認可をしている場合は、入国後の雇用パス発給をMIDAの入国管理カウンターで行うが、カウンターではシングルエントリービザがないと発給を受理しない運用となっている。

シングルエントリービザの申請は、東京にある在日マレーシア大使館に予約が必要だが、日系企業によると、「予約が取れる日程が3カ月となっており、新規駐在員の入国時期が遅れている」という問題が発生している。

他方、ESDでビザの発給をする場合にも、ESDに予約が必要だが、この予約についても数カ月先の日程でしか取れず、発給が遅れているという実態があるので、留意が必要だ。

(注)MySafetravelへは、MyEntryの入国許可状況確認ページからアクセスが可能。

(田中麻理)

(マレーシア)

ビジネス短信 22c6d6483b402782