経済・エネルギー省、小型宇宙ロケットコンペ優勝者を発表

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年05月13日

ドイツ経済・エネルギー省は4月30日、連邦政府の研究機関ドイツ航空宇宙センター(DLR)が実施したスタートアップ企業向け小型宇宙ロケット(マイクロランチャー)コンペ本選で、イザールエアロスペース・テクノロジーズ(IsarAerospace Technologies外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が1位になったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回のマイクロランチャーコンペでは、2020年7月にイザールエアロスペース・テクノロジーズを含む南ドイツの3社が本選に選ばれていた(2020年8月5日記事参照)。本選で1位になった同社には今後、欧州宇宙機関(ESA)の「商用宇宙輸送サービス・サポート(C-STS)プログラム」の枠組みで行われる「BOOST!」イニシアチブから1,100万ユーロが提供され、同社が開発した全長27メートルの小型宇宙ロケット「スペクトラム(Spectrum)」で、2022~2023年に2度の試験打ち上げを実施する予定。

イザールエアロスペース・テクノロジーズは2018年に創業したバイエルン州のスタートアップ企業。ミュンヘン南東のオットーブルンには、航空宇宙関連の企業や研究機関などが集積しており、同社もここに居を構える。バイエルン州政府は2018年の現政権発足以来、航空宇宙分野の研究開発にも力を入れる。実際に、ミュンヘン市とその周辺だけでも、衛星のワイヤレスレーザー技術を提供するマイナリック(Mynaric外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)や、ミュンヘン連邦軍大学からのスピンオフ企業で衛星通信システム・技術を提供するネオサット(NEOSAT外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)など、宇宙関連の新ビジネスも生まれてきている。

ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)によると、宇宙産業分野における2020年のドイツ国内企業の売上高は23億ユーロで、従業員は約9,600人に上るという。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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