広東省の1~3月のGRPは前年同期比18.6%増、景気回復が加速

(中国)

広州発

2021年05月21日

中国・広東省統計局は4月21日、同省の2021年第1四半期(1~3月)の経済指標を発表した。広東省の域内総生産(GRP)は前年同期比18.6%増の2兆7,118億元(約46兆1,006億円、1元=約17円)で、2020年第1四半期に新型コロナウイルスの影響で成長率が大幅に落ち込んだことによる反動増となった。統計局では、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年第1四半期を基数に、2020年と2021年第1四半期の2年間の平均増減率も発表しており、2年平均は5.2%増だった。

産業別では、第一次産業が前年同期比7.1%増の953億元、第ニ次産業が25.1%増の9,904億元、第三次産業が15.6%増の1兆6,261億元となった。第一次産業を除き2桁の伸びを記録した(添付資料表参照)。

固定資産投資は、前年同期比31.9%増だった。うち、インフラ投資は25.1%増、工業投資は35.2%増で、特に医療設備機器(38.4%増)、医薬(25.0%増)、コンピュータ事務機器(63.6%増)など、感染拡⼤防⽌や在宅勤務に関連する産業への投資が旺盛だった。

社会消費品⼩売総額は、前年同期比32.1%増の1兆1,013億元となった。うち、飲食業が69.2%増と大幅に回復したものの、2年平均では2.3%減と、新型コロナウイルス感染拡大前の水準には戻っていない。他方、オンライン小売額は32.9%増と成長を続けている。

⼀定規模以上の工業企業(注)の付加価値増加額は、前年同期比28.9%増の7,860億元だった。業種別では、自動車製造業が62.7%増、医薬品製造業が34.0%増、化学繊維製造業が35.5%増となった。

貿易額は前年同期比33.4%増の1兆8,263億元で、うち輸出が41.6%増の1兆1,212億元、輸⼊が22.2%増の7,051億元だった。税関総署広東分署は、貿易額は3四半期連続でプラス成長となったが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、外部環境は引き続き不安定で不確定要素も多いとの見方を示した。

(注)主な業務による年間売上高が2,000万元以上の工業企業

(盧真)

(中国)

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