米ニューヨーク州、ワクチン接種完了者にマスク着用義務を原則解除

(米国)

ニューヨーク発

2021年05月19日

米国ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)は5月17日、米国疾病予防管理センター(CDC)による13日の勧告(2021年5月18日記事参照)を受けて、ワクチン接種完了者(注)に対し、19日からほぼ全てのビジネスや公共の場でのマスク着用義務を解除すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ただし、保育園・幼稚園や小中高等学校、公共交通機関、ホームレス施設、刑務所、介護施設、医療機関では、州内でより多くの人がワクチン接種を完了するまでは、既存のニューヨーク州のガイダンスに則してマスクの着用を義務付けるとした。

5月13日にホワイトハウスで行われた記者会見で、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、学校やビジネスの場でのマスクの着用義務を解除するかについては、各地域により状況が違うので、ワクチンの在庫数、接種完了者数、感染者数と見合わせながら各地域で決めるべきだとしていた。

ニューヨーク州では、CDCがワクチン接種完了者に対しマスク着用義務の解除を勧告したことと、18歳以上の成人の52%以上がワクチン接種を完了していることを受け、CDCのガイダンスに従うかたちで、各事業者に、それぞれの施設内でのマスク着用を引き続き求める権限を委ねるとした。その上で、ほとんどの場合において、ワクチン接種完了者はマスク着用を求められることはないとしている。また、安心のためにマスクを着用する人や、利用者にマスクの着用を求める事業者を尊重すべきだとしている。

ニューヨーク州保健局は、ワクチン接種完了者の識別ができないため、屋内では引き続きマスクを着用することを推奨している。

また、ニューヨーク州では5月19日から、6フィート(約1.8メートル)の社会的距離を確保することを除き、ほぼ全ての事業の収容制限を解除するとしていたが(2021年5月7日記事参照)、今回のCDCの勧告に基づき、施設内にいる全ての客、利用者がワクチン接種完了証明書を提示することにより、社会的距離の確保を解除し、収容率をさらに上げることができるとした。

ニューヨーク州では、ワクチン接種完了者としての証明として、エクセルシオール・パス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを設けているが、書面でも証明書として受け入れられる。

(注)各種決められた回数のワクチン接種完了後2週間を経た者が対象で、ファイザー製とモデルナ製は2回の接種、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1回の接種でワクチン接種完了とされている。

(吉田奈津絵)

(米国)

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