2020年のODAは22億5,000万ドル、政府は新型コロナ関連援助の成果強調

(韓国)

ソウル発

2021年04月21日

韓国外交部は4月13日、OECD開発援助委員会(DAC)が発表した2020年のODA暫定統計で、韓国のODA規模がDAC加盟29カ国中、16番目の22億5,000万ドルだったと発表した。前年比で2億1,000万ドル減、GNI(国民総所得)比0.14%でDAC加盟国平均の0.32%を下回った。

ODA減少の理由について、外交部は「新型コロナウイルス感染拡大や地域開発銀行(注1)への出資・出捐の減少のため」と説明した。一方、2021年のODAは前年比8.3%増の3兆7,000億ウォン(約3,700億円、1ウォン=約0.1円)を確保し、「量的規模を維持、継続している」と強調した(注2)。

2020年の韓国の主な援助の内訳は、2国間援助が17億6,000万ドル、多国間援助が4億9,000万ドルだった。2国間援助のうち無償資金協力が11億7,000万ドル(前年比0.4%減)、有償資金協力が6億ドル(同12.8%減)だった。地域別では、アジアが全体の50%、アフリカが22.8%、中南米が7.6%を占めた。分野別では保健(7億4,100万ドル)、公共行政および市民社会(2億9,200万ドル)、社会インフラ・エネルギー(1億3,300万ドル)、交通および物流(1億1,000万ドル)などとなった。

多国間援助の実績規模は前年比19.9%減で、地域開発銀行への出資・出捐は総額1億ドル(前年比57.6%減)、国連と世界銀行への出資・出捐はそれぞれ1億3,000ドル(国連向けは前年比15.1%増、世界銀行向けは同2.7%減)だった。

外交部は2020年の成果として、新型コロナウイルスの防疫体制構築のため、開発途上国120カ国への人道支援や13カ国への緊急借款を実施し、体系的かつ迅速に防疫関連物資の支援や経験の共有などの取り組みを展開したと成果を強調した。今後はSDGsの実現、デジタル分野やグリーンニューディール関連の援助を積極的に推進する方針だ。

(注1)アジア開発銀行やアフリカ開発銀行など。

(注2)2020年のODA予算は3兆4,000億ウォン。

(当間正明)

(韓国)

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