フランダース地域政府、直接投資に貢献したスイス物流企業を表彰

(ベルギー、スイス)

ブリュッセル発

2021年04月27日

ベルギー・フランダース政府貿易投資局(FIT)(注)は4月22日、2020年に同地域の対内直接投資に特に貢献したとして、スイスの物流大手キューネ・アンド・ナーゲルに「2021年外国企業投資賞」を授与したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

キューネ・アンド・ナーゲルは、2020年にブリュッセル国際空港の貨物エリア内に医療機器・医薬品向けの物流センターを開設した。さらに、ベルギー北東部のテッセンデルローにも、7,500万ユーロを投じて新たな物流センターの建設を開始しており、フランダース政府のヤン・ヤンボン首相は、伝統的に同地域が強みを持つ物流分野に革新性をもたらすものと評価した。毎年発表されている同賞には、同社のほか、ブレックマン(オランダ・ベルギー)とジムシャーク(英国)が共同で、またECAグループ(フランス)が候補になっていた。トルコの物流大手ネットログ傘下で、eコマース向けの物流サービスを展開するブレックマンは、フィットネス用アパレルの製造・販売を行う英国のジムシャークと共同で1,000万ユーロを投資し、ベルギー北東部のレーメに物流センターを2020年に建設した。また、フランスのロボット・航空工学大手のECAグループは、1,000万ユーロを投じ、オーステンド港にベルギーおよびオランダ海軍向けの機雷除去ドローン製造工場の建設を発表していた。

フランダース地域の2020年の対内直接投資件数は前年比13%減

FITによれば、2020年の同地域に対する対内直接投資額(実行ベース)は、新型コロナウイルスの影響を受け、2019年の合計52億ユーロから大きく縮小し、合計23億9,000万ユーロとなった。

2020年の新規投資件数は、2019年の258件から13%減少し224件となった。内訳を投資元国別にみると、2019年に投資件数が最も多かった米国を抑えて、オランダがトップとなり、米国、英国、ドイツ、フランスが続いた(添付資料表参照)。欧州からの対内直接投資件数は全体の67.4%を占め、これまでで最も高い水準になった。また、英国が2年連続で上位3カ国に入った。これについてFITは、英国のEU離脱(ブレグジット)の影響とみている。日本からの新規投資件数は、2019年の8件(9位)から増加し10件(7位)となった。

2020年の新規投資件数の割合を産業別でみると、「販売およびマーケティング」が最も多く、全体の30.4%を占めた。次いで「製造業」が23.7%、「物流・ロジスティクス」が20.5%、「研究開発(R&D)」が19.2%を占めた。同じく、投資形態別の件数の割合をみると、前年に引き続き、グリーンフィールド投資が最も多く、全体の67.4%を占め、M&Aは18.8%、既存事業の拡大が13.8%となった。

(注)ベルギーは連邦制で、通商分野の政策は各地域政府が管轄している。

(大中登紀子)

(ベルギー、スイス)

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