マハーラーシュトラ州、移動規制厳格化や営業時間短縮など続々通達
(インド)
ムンバイ発
2021年04月23日
インド西部マハーラーシュトラ(MH)州では、新型コロナウイルス感染拡大を受けて4月5日から夜間や週末に限定したロックダウンを施行して以降、操業継続可能な工場の業種制限(2021年4月19日記事参照)や移動規制、小売店舗の営業時間短縮をさみだれ式に通達している。同州の感染状況はインド全土で最も深刻だが、2020年に実施した完全なロックダウンへの忌避感や反動から、規制を段階的に厳格化させている印象だ。規制内容は日々変わっており、注視が必要だ。
MH州は4月20日、これまで午前7時から午後8時まで営業が可能だった食料品店などの必需(essential)業種の小売店の営業時間を21日から月末まで、午前7時から11時までの4時間に制限すると通達した。自宅などへの配達サービスに関してはこれまで同様、午後8時までの営業を認めている。この通達施行後、筆者がムンバイ市郊外の自宅周辺の小売店を幾つか確認したところ、大きな混雑は見られず、混乱も起きていないようだ。
また18日には、他州からの鉄道移動に関する規制をあらためて通達。デリー首都圏、グジャラート州、ケララ州などからの鉄道移動の際には、48時間以内のRT-PCR検査の陰性証明の保持を義務付けた。21日には公共セクターの出勤規制の厳格化、移動制限の厳格化に関する通達も発出するなど、制限内容が連日変更・厳格化されている。
移動に関連しては、ムンバイ市警察も18日から市内を走行する車両はその用途に合わせて赤(医療関連など)、緑(食料品輸送など)、黄色(必需サービス従事者など)の直径約15センチのステッカーを車両の前後に貼付しなければならないと通達。しかし、施行直後ということもあってか、数日を経ても実際に通行する車両の多くはステッカーを貼付しておらず、実効性は不透明だ。
MH州のさまざまな活動制限は5月1日午前7時までを期限としているが、現在の感染状況を見れば、期間延長が十分に予想される。
(比佐建二郎)
(インド)
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