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LGとSKの車載電池めぐる営業秘密紛争は18億ドルで和解、バイデン米大統領はEV産業強化強調

(米国、韓国)

アトランタ発

2021年04月14日

韓国系大手電気自動車(EV)バッテリーメーカー2社間での営業秘密の侵害をめぐる紛争について、SKイノベーション(以下、SK)がLGエナジーソリューション(LG化学の子会社、以下、LG)に対して18億ドルを支払うことで両社が和解したことが4月11日に発表された。また、両社は米国と韓国で現在係争中の全ての訴訟を取り下げ、今後10年間は互いに訴訟を提起しないことにも合意した。両社の最高経営責任者(CEO)は「健全な競争と友好的な協力を通じて韓国と米国のEVバッテリー産業の発展を手助けするために働く」と共同声明を発している。

この紛争は、SKがLGからエンジニアやマーケティング責任者など約80人の引き抜き、それにより営業秘密を侵害したとして、LGがSKを米国国際貿易委員会(ITC)に提訴していたもの。ITCは2021年2月10日、LG側の訴えを認め、SKに対してEVバッテリー部品の輸入を10年間禁止する裁定を下していた(注1)。SKイノベーションはジョージア州ジャクソン郡に約26億ドルを投じてEVバッテリー工場を建設中で、2,600人の雇用創出が見込まれる(2020年8月5日記事参照)とともに、ジョージア州政府は州内で過去最大規模のこの投資計画に対して補助金や土地など約3億ドル相当の投資インセンティブを提供していたが、ITCの裁定によって投資・雇用計画の実現が危ぶまれていた。

ジョージア州のブライアン・ケンプ知事はこれまで複数回にわたってバイデン大統領に対してITCの裁定を覆すことを求める声明を発し、4月8日には「少なくとも2,600人の雇用の行く末がバイデン大統領の決断にかかっている」と発言。ITCの裁定に対してバイデン大統領が4月11日の期限までに拒否権(注2)を行使するかが注目されていた。「アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション」紙電子版(4月11日)などのメディアは、キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表やジョン・オソフ連邦上院議員(民主党、ジョージア州)による仲裁もあり、最終的に期限直前でLGとSKが和解に至ることとなったと今回の経緯を報じている。

今回の両社の和解に当たり、バイデン大統領は「和解合意は米国の労働者や自動車産業にとっての勝利だ。より良く再建(Build Back Better)するための計画の中核は、将来のEVとEVバッテリーを米国内で米国人労働者によって生産することだ」との声明を発している。

(注1)ただし、輸入禁止前の猶予期間として、フォードのピックアップトラックF-150向けに4年間、フォルクスワーゲンのEV用プラットフォームMEB向けに2年間限定で、EVバッテリーの供給とそれに伴う部品輸入を許可。

(注2) ITCの裁定から60日以内であれば、大統領は裁定結果に拒否権を発動することができる。

(石田励示)

(米国、韓国)

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