ハンガリー、第2段階の行動制限緩和措置は限定的

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年04月13日

ハンガリーでは、4月6日にワクチン接種者数が250万人に達したことから、行動制限措置の第1次緩和が翌7日から行われた(2021年3月29日記事参照)。これを受け、国民の関心は次の緩和措置の行方に移ったが、オルバーン・ビクトル首相は9日の定例ラジオインタビューで、今後について限定的な発表にとどめた。

オルバーン首相は「英国型の変異株は強力なため、人々を隔離するだけでは、流行を数カ月遅らせるだけで排除することはできない。ワクチン接種でのみウイルスを排除することができる」として、国民に対してさらなるワクチン接種を呼び掛けた。そして、ワクチン接種者が350万人に達した時点を第2段階として位置付け、「4月19日には350万人に達する見込みで、次の段階へと移行できる。今は学校を最初に開く予定」とし、幼稚園と小学校については予定どおり4月19日から対面学習を再開、また、高校での対面学習を5月10日から再開することのみが語られた。また、前日の4月8日にグヤーシュ・ゲルゲイ首相府長官が「次の緩和の条件はワクチン接種者数300万人」と発表していたが、同首相はそれについては触れなかった。

さらなる緩和は、ワクチン接種者数に結び付けてはいるものの、疫学データも注視する必要があるとし、陽性者数の推移にも対しても注意を払っていくことを表明している。オルバーン首相は今後の緩和策について、「5月上旬に接種者数は400万人に達する見込みで、そうなれば、免疫証明書所持者はコンサート、映画館、ホテルへの訪問が可能となるだろう」と述べた。

なお、オルバーン首相は3月31日のインタビューで、緩和措置については常に実施の1週間前に国民に知らせることも約束した。

(バラジ・ラウラ、末廣徹)

(ハンガリー)

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