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欧州産業界、欧州委のAI規制法案への要望や危惧を表明

(EU)

ブリュッセル発

2021年04月28日

欧州委員会が4月21日に発表した人工知能(AI)規制枠組み規則案(2021年4月23日記事参照)について、欧州産業界からは、欧州委のリスクベース・アプローチを歓迎しつつも、企業の負担増やイノベーションが阻害される可能性を危惧する声が上がった。

情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパは規則案の発表に先立つ4月20日、EU 一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)の施行時を例にとり、法案の内容によっては、中小企業やスタートアップ企業の負担が増すことへの懸念を示していた。規則案の発表後、デジタルヨーロッパは4月21日付声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、更新や最新技術の応用など迅速さが求められるAIソフトウエアが、規則案にある規定要件についての適合性評価の対象に含まれたことに懸念を表明。また、法案で高リスクとされた分野への起業家のビジネス参入が減る可能性があるとし、規模が小さな企業が規定要件を満たすには、簡素で合理的なプロセスだけでなく、企業向けの指針や財政支援が必要になると指摘した。

欧州機械・電気・電子・金属加工産業連盟(Orgalim)も4月21日付声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、「AIシステム」の定義をさらに明確にすることや、産業用AIが高リスクとみなされないことを保証するため、産業界と協力して、より強固な法的確実性を与えることを求めた。さらに、適合性評価の義務化は、企業の負担を増やし、必ずしも安全性を高めることにはつながらないと不満を示した。

一方、両団体とも、欧州委の「欧州AI委員会(European AI Board)」創設の提案には賛同し、官民双方から平等に幅広く参加者を募ることで、産業界の知見が反映され、規制の削減や規則の円滑な実施につながることへの期待を示した。

AIの研究開発へのさらなる財政支援を求める声も上がる

規則案発表と同日の4月21日、欧州家庭用電気機器産業協会(APPLiA)は、欧州議会および欧州委、欧州消費者協議会(ANEC)、IoTイノベーション・アライアンス(AIOTI)などからスピーカーを招き、AIに関するウェビナー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催した。各機関・団体からの参加者は、法的確実性を与えるために、AIの定義を共通化・明確化することが官民双方にとって重要なこととし、また、消費者保護の観点からは、AI製品・サービスの利用に伴うリスクから消費者を守るため、包括的な法枠組みや定められた基準や評価に基づく新しい政策アプローチの必要性などをANECが指摘した。さらに、APPLiAおよびAIOTIからは、AIの研究開発に対する財政支援の拡大を求める声も上がった。

(滝澤祥子)

(EU)

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