新型コロナ感染拡大を受け、外出禁止令を5月8日まで延長

(モンゴル)

北京発

2021年04月28日

モンゴル政府は4月23日の臨時閣議で、4月10日から発令している外出禁止令を5月8日午前6時まで延長することを決定した。

モンゴルでは4月に入って1日当たりの新型コロナウイルス新規陽性者が500人を超える日が続いたため、8日の臨時閣議で警戒レベルを全国警戒態勢(警戒レベル4:赤)に引き上げた(警戒レベルの段階と移行条件、各段階の制限措置については2021年2月25日記事参照)。

首都ウランバートル市全域を対象に4月10日午前6時から25日午前6時まで外出禁止令を発令することを決定、警戒レベルの引き上げに合わせて全国民に1人当たり一律30万トゥグルク(約1万1,400円、1トゥグルク=約0.038円)の給付も行った。

今回の延長措置は、10日の外出禁止令発出以降も新規陽性者数が1日1,000人を超える日が続いていることから実施される(添付資料図参照)。

4月23日時点でモンゴルでは71万3,705人(人口の約22%)が新型コロナウイルスワクチンを接種しており、うち64万9,236人が1回、6万4,469人が2回の接種を受けた。エンフボルド保健相は5月1日までにウランバートルの18歳以上の全市民に1回目のワクチン接種を行い、5月末までに2回目の接種も完了する予定と発表した。モンゴルは22日時点で約145万本のワクチンを確保している(添付資料表参照、注1)。

5月1日からワクチン接種済みの外国人の入国を許可

モンゴル政府は3月3日の閣議で、5月1日からボヤントオハー空港の国境検問所から外国人の入国を許可することを決定した。ただし、渡航者には渡航前のワクチン接種を義務付ける(注2)。5月には東京(成田)、ソウル、釜山、フランクフルト、イスタンブールへ、MIATモンゴル航空とアシアナ航空、大韓航空、エアプサン、トルコ航空の各社が計16本(往復32便)の運航を再開する予定だ(日本~モンゴルの直行便はMIATモンゴル航空のみ)。

また、オヨーンエルデネ首相は3月6日に新ウランバートル国際空港(チンギスハーン空港)を視察し、7月1日から新空港を開業すべく準備を進めるよう関係者に指示した(新空港建設のこれまでの状況については2019年7月17日記事参照)。視察時点でボヤントオハー空港からチンギスハーン空港への移転準備作業の進捗率は85%で、今回の外出禁止令の延長が移転準備作業に影響する可能性もある。

なお、4月23日時点の国内の新型コロナウイルスの累計陽性者数は2万7,956人で、うち回復者は1万4,258人、死者69人となっている。

(注1)モンゴル政府は当初、中国製とロシア製の新型コロナウイルスワクチンについては世界保健機関(WHO)の許可を待って接種を開始するとしていたが、保健省は緊急性を考慮して独自の判断で承認し、3月5日から接種を開始した。4月23日現在、中国製とロシア製のワクチンについてWHOは緊急使用を許可していない。

(注2)接種するワクチンの種類に関しては、4月27日時点で公表されていない。

(藤井一範)

(モンゴル)

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