モンゴル、新型コロナウイルスワクチンの接種を開始

(モンゴル)

北京発

2021年02月25日

モンゴル政府の発表によると、2月22日に、英国オックスフォード大と英国アストラゼネカが開発し、インド血清研究所が製造した新型コロナウイルスワクチン15万本、および中国医薬集団(シノファーム)が製造する同ワクチン30万本がモンゴルに到着した。ワクチンはインド政府、中国政府からそれぞれ無償で提供された。さらに、エンフボルド保健相は、ロシア製ワクチン「スプートニクV」について3月第1週にモンゴルに到着予定だと発表した。

モンゴル政府は、インド政府から提供されたワクチンを、高リスク環境で勤務している医療従事者、レスキュー隊員、警察官などの公務員、高齢者や持病のある患者に対して2月23日から接種。一方、中国製ワクチンとロシア製ワクチンについては、世界保健機関(WHO)による緊急使用許可がおり次第、接種を開始する見込みだ(注1、2月23日時点)。

そのほか、政府は、WHOの新型コロナウイルスワクチン共同購入枠組みの「COVAXプログラム(COVAX Global Vaccine Facility)」で調達したワクチンを、2021年11月までに国民の60%(約200万人)に接種することを目標にしている。そのための資金として、世界銀行から5,070万ドルの融資を受ける方針で、1月20日の閣議では、世界銀行との融資協定案を国会に上程することを承認した。

警戒レベルを4段階に変更の上、引き下げ

モンゴル政府は2月22日の臨時閣議で、これまで3段階だった新型コロナウイルスに関する警戒レベルを4段階に分類・色分けし、それぞれの移行基準や行政機関、国民、企業に対する制限措置を定めた(添付資料表参照)。

国家非常事態委員会は2月23日午前6時、新基準に従い、新型コロナウイルスに関する警戒レベルを全国警戒態勢から高度警戒準備態勢(警戒レベル2:黄)に引き下げ、外出禁止令を解除した。これにより、ゲームセンター、ディスコ、バー、展示即売会、(家族以外の)旅行、競技会(注2)を除く、全ての事業活動が解禁された(注3)。

なお、2月22日時点のモンゴル国内の新型コロナウイルスの累計陽性者数は2,697人で、うち回復者は1,933人となっている。

(注1)ワクチンの承認は各国の保健当局がそれぞれ判断するが、自国での臨床試験(治験)や審査が困難な発展途上国は、WHOの緊急使用許可を参考にして判断する場合もある。

(注2)これらについては、医療機関のリスク評価に基づき、解禁するか否かをその都度決定する。

(注3)学校の教室での授業について、首都ウランバートル市以外の地方(各県)では過去28日以上新規感染者が発生していないため、3月1日からの再開を予定しているが、ウランバートル市については今後のリスク評価により決定する。

(藤井一範)

(モンゴル)

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