韓国10大グループのESG分野のアライアンス事例公表

(韓国)

ソウル発

2021年04月20日

韓国の全国経済人連合会(全経連、日本の経団連に相当)は4月14日、韓国10大グループ(注1)のESG経営(注2)に関する事例調査を発表した。5つの視点〔(1)Structuring(グループ内体制の整備)、(2)Measure(測定、認証)、(3)Alliance(同盟、連携)、(4)Relations(サプライチェーンマネジメントなど)、(5)Tech(技術開発)〕で10大グループのESG経営に一定の進展があることがわかった。

(1)のグループ内体制整備については、おおむねESG経営に関する委員会や担当する社内組織が整備され、未設置のLGや現代重工業、新世界も2021年上半期中に整備する予定。(2)では、サムスン電子やSKグループでESG経営の価値を定量化する取り組みが進み、RE100(注3)にSKグループやLG化学などが参加している。(3)は、プロジェクトベースの連携事業で、既に多くのプロジェクトが進展している(添付資料表参照)。

(4)のサプライチェーンマネジメントに関しては、例えば、サムスン電子は多様なITシステムを駆使した協力会社間のリスク統合管理システムを運営する。(4)には消費者を対象としたESG活動も含まれ、ロッテケミカルでは、使用済みの容器を回収して再利用する世界的なプロジェクト「LOOP」に参加するなどの事例がある。

(5)の技術開発については、現代モービスによる水素自動車の燃料電池システム開発、LGとSKによる生分解性プラスチックの共同開発、ポスコエネルギーによるプラズマ気化装置を活用した大気への排出物質をゼロ化するプロジェクトなどの取り組みが紹介された。

全経連は今後も国内外のESG経営に関する事例を積極的に把握し、各企業と共有しつつ、優秀事例については積極的に広報するとしている。

(注1)サムスン、現代自動車、SK、LG、ロッテ、ポスコ、ハンファ、GS、現代重工業、新世界

(注2)ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもの。これら3つの取り組みに配慮して事業活動を推進しているかどうかは、企業評価を測る1つの指標として使われている。

(注3)The Climate GroupとCDPによって運営される企業の再生可能エネルギー100%を推進する国際ビジネスイニシアチブ

(当間正明)

(韓国)

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