米CDC、屋外でのマスク着用が一部不要に、ワクチン接種者が対象

(米国)

ニューヨーク発

2021年04月30日

米国疾病予防管理センター(CDC)は4月27日、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者(注1)を対象に、屋外でのマスク着用を一部不要とする方針外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。4月2日の旅行規制の緩和(2021年4月7日記事参照)に続く、指針の更新となる。

ワクチン接種完了者は、運動(散歩やランニング、自転車など)や、少人数の集まり(注2)、外食について、屋外でのマスク着用を不要とする。他方、公共の場では、個人のリスクの判別が難しく、ワクチン接種完了後でも、屋外でのコンサートやスポーツ観戦、屋内の美容室や映画館、美術館、ショッピングモールなど、人が密集する場合は、マスクの着用が推奨される。なお、CDCのガイドラインは勧告であり、実際の規制については、州や自治体の措置に従う必要がある。

ロシェル・ワレンスキーCDC所長は、規制緩和の理由として、屋外での感染者数が全体の1割にとどまることや、屋内と比べて感染リスクが20分の1であること、国内のワクチン接種がある程度進んだことを指摘した。CDCによると、米国では4月29日時点で、1億4,379万人(人口比43.3%)が1回目のワクチン接種を終え、9,967万人(30%)が接種を完了している。ワレンスキー所長は、社会的な距離の確保が難しい場所については、ワクチン接種が普及するまで、マスク着用を推奨する考えを示した。

ジョー・バイデン大統領は、CDCの発表後に会見を開き、65歳以上の3分の2がワクチン接種を完了するなど、新型コロナウイルス対応の進展を称賛した。バイデン大統領は、今回のCDC発表が「ワクチン接種を受ける大きな理由になる」と述べ、ワクチン接種が「元の生活に近づくための手助けになる」として、米国民に接種を呼び掛けた。

(注1)各種決められた回数のワクチン接種完了後2週間を経た者が対象で、ファイザー製とモデルナ製は2回の接種、ジョンソン・エンド・ジョンソン製は1回の接種でワクチン接種完了とされている。

(注2)集団の中に、一部ワクチンを接種していない人がいる場合を含む。

(藪恭兵)

(米国)

ビジネス短信 dfebcfc368fca401