緩和計画を再開、必要不可欠でない渡航禁止の解除も

(ベルギー)

ブリュッセル発

2021年04月16日

ベルギー連邦政府は4月14日、新型コロナウイルスの新規感染者数や入院患者数が減少し始めているとして、イースター休暇前に一時的に停止していた緩和計画の再開を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。政府は、3月5日に「感染状況は安定している」として緩和計画を発表(2021年3月10日記事参照)したが、その後再び感染が拡大し始めたことを受け、同月24日に、幼稚園以外の教育機関の閉鎖や、美容室などの身体的接触を伴う非医療サービスを提供する店舗の閉鎖、生活必需品以外を販売する店舗は予約制での営業とする、などの措置を実施し、第 3 波に備えていた。

4月19日にEU域内の必要不可欠でない渡航の禁止措置が終了

規制緩和は段階的に実施される。まず、4月19日にEU域内の余暇や観光などの必要不可欠でない渡航(出国および入国)の禁止措置が解除される。域外との往来は、EU理事会の勧告に基づく制限措置が引き続き適用(2021年2月3日記事参照)。ただし、いずれの場合も、不要不急の渡航はできるだけ控えるよう要請している。教育機関も、学年によって授業の体制が異なるかたちで再開される。4月26日からは、身体的接触を伴う非医療サービスを提供する店舗が再開されるほか、生活必需品以外を扱う小売店の入店の際に義務付けられていた事前予約義務が撤廃され、予約なしで入店が可能となる。また、65歳以上の高齢者の7割へのワクチン接種が完了し、医療機関の状況が改善されることを条件に、5月8日からカフェ、レストランで屋外の営業を可能とすることなどの措置を含む「屋外計画」を開始する。なお、緩和計画詳細は添付資料を参照。

一方で、政府は、新型コロナウイルスによる入院患者の3分の1以上が集中治療室で治療を受けているとし、医療機関、特に集中治療の現場への負荷がいまだ高いままである点を強調した。

政府は、6月中旬までに、ほぼ全ての65歳以上の高齢者および重症化リスクが高い基礎疾患を持つ患者へのワクチン接種が完了すると見込んでおり、感染拡大状況、特に集中治療室の占有率に改善がみられた場合は、緩和段階を「屋外計画」から「屋内計画」へ移行し、飲食店の店内での飲食、スポーツクラブや文化イベントの再開を検討する。

最後に政府は、特定の地域でワクチンの接種率が低いことに言及。ワクチン接種はパンデミックから抜け出すことができる唯一の方法だとした上で、ワクチンの副反応は非常にまれで、起きても新型コロナ感染時の症状と比較すれば軽度だとして、積極的なワクチン接種を呼び掛けた。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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