3月の消費者物価指数、前年同月比3.7%の上昇

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年04月16日

ハンガリー中央統計局は4月9日、3月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で3.7%上昇したと発表した。中でも燃料価格が17.7%増と大きく上昇しており、中央銀行も「3月のインフレ上昇は主に燃料価格の上昇によるもので、これが0.8ポイント押し上げている」としている。ただし、中銀が設定している中期的なインフレターゲットは3%、かつ上下1ポイント幅としていることから、現状ではまだ範囲内で推移している。

アルコール飲料・たばこも10.3%の上昇で、たばこ単体では17.5%増だった。これは、欧州委員会がかねて求めていたEU指令に沿ったたばこの物品税最低基準への対応を行った結果としている。この1年で、マルボロは1箱1,440フォリント(約518円、1フォリント=約0.36円)から1,760フォリントに、地元製品のソピアネも同1,380フォリントから1,690フォリントに値上がりしている(注)。

食料品は2.7%の上昇だった。2020年初めから続いていた6~8%台での上昇傾向は、2020年12月の4.9%増、2021年1月の3.9%増、2月の3.4%増とようやく落ち着きを見せ始めている。

一方、衣料品は1.8%の減少となった。3月8日から実施された新型コロナウイルス対策に伴う行動制限の強化措置(2021年3月5日記事参照)の影響を受けて、生活必需品以外の、衣料品店を含めた全ての店舗の営業が停止されたことに起因していると考えられる。

(注)それぞれ「マルボロ20本入り」「ソピアネ・エクストラケーク30グラム」の価格。

(バラジ・ラウラ、末廣徹)

(ハンガリー)

ビジネス短信 d5ae714d43bccaf3