小鵬汽車、武漢工場建設プロジェクトに調印

(中国)

武漢発

2021年04月13日

中国の電気自動車(以下、EV)メーカーの小鵬汽車は4月8日、武漢経済技術開発区管理員会と「インテリジェント・コネクティッドカー(以下、ICV)製造基地および研究開発センター建設プロジェクト」に調印した。本プロジェクトの敷地面積は1,100ムー(約73万平方メートル)で、敷地内にICVとパワートレインの生産工場を建設する予定だ。2023年から稼働予定の生産工場では、年間で10万台、ピーク時で最大15万~20万台の生産を目指す。また、研究開発センターも設立し、人工知能(AI)や自動運転などICV関連での新たな自動車技術の研究開発を進めていく。

武漢を中心に中西部地域への展開を目指す

小鵬汽車は、2015年に設立された新興EVメーカーで、広東省広州市に本部を持つ。生産工場は広東省肇慶市にあり、2020年3月から小規模な生産を開始している。近年では、海馬汽車との合弁で河南省鄭州市にも生産工場を建設したほか、北京市、上海市、広東省深セン市、米国カリフォルニア州などに研究開発センターを有する。同社の2021年1~3月における納入台数は1万3,340台と小規模ながら、四半期ベースでは過去最高の納入実績を記録した。同社の何小鵬CEO(最高経営責任者)は「今後は武漢市を中心に中国の中西部地域向けに自社の製品や技術を展開し、海外への輸出も行っていく」と述べている(「長江日報」4月9日)。

自動車産業の一大集積地となっている武漢経済技術開発区では、小鵬汽車をはじめ、東風汽車傘下の新エネルギー車(以下、新エネ車)メーカーである嵐図汽車科技や、英国ロータス系のEVなどを生産予定の吉利汽車など、新エネ車やICVの分野で企業の集積が進みつつある。同開発区は2025年までに、新たに2~3社の新エネ車メーカーを誘致し、自動車工業の付加価値総額を5,000億元(約8兆円、1元=約16円)以上にするなどの目標を掲げている。

(片小田廣大)

(中国)

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