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新型コロナ、ギリシャ構造改革に進展と遅滞の双方もたらす、OECDレポート

(ギリシャ)

ミラノ発

2021年04月23日

OECDは4月14日、各国の新型コロナウイルスの感染拡大の影響と経済回復状況に関するレポートを発表した。ギリシャについて、新型コロナウイルスによる経済危機は、経済の多様化、雇用創出のための投資や生産性の向上といった、長年の課題に対する取り組みの喫緊性を浮き彫りにしたと言及した。また、行政のデジタル化など改革に一定の進歩はみられるものの、不必要な事務手続きや規制の質の低さ、司法制度の遅延がビジネス環境を悪化させていると指摘した。さらに、労働者の技能不足という要因も加わり、企業の成長を阻害し、パンデミックから回復して成長を維持するために不可欠なイノベーションや投資を妨げているとの見方を示した。

財政状況については、銀行の不良債権は依然として高水準にあり、銀行の資本力や収益性、また企業の運転資本や新規投資への融資能力を制約している、と指摘。一方、政府の新しい資産保護制度である「ヘラクレス」(注)は、銀行における既存の不良債権処理に貢献しており、新たに一体化された倒産処理の枠組みにより、財政的な苦境のより効率的解決が期待されるとしている。

また、近年、公共投資支出が予算計画を下回っていることも指摘。EUの復興基金「次世代のEU」を最大限に活用し、投資支出を計画どおり倍増させるためには、公共投資の質と実施のスピードを改善する必要があると呼び掛けている。

なお、構造改革全体としては、税率の是正など、ギリシャ政府が実行してきた優先分野における進展について評価する一方、多くの分野において改革の複雑さ、スタッフの能力による制約や、感染拡大防止に伴う制限措置などが構造改革の進捗を遅らせているとしている。

(注)国が保証を付与するかたちで、不良債権を証券化する仕組み。国は保証の付与の代わりに、売買にかかる利益を得る。

(井上友里、山崎杏奈)

(ギリシャ)

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