米CDCとFDA、J&J製ワクチンの使用一時停止勧告を解除

(米国)

ニューヨーク発

2021年04月27日

米国食品医薬品局(FDA)と疾病予防管理センター(CDC)は4月23日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンの使用一時停止勧告を解除する共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。FDAとCDCは13日に同ワクチンについて、使用の一時停止を勧告していた(2021年4月14日記事参照)。

声明文によると、FDAとCDCは使用停止勧告の期間中に、ワクチン接種に伴い血栓症が生じるリスクを分析し、以下を結論付けた。(1)米国内でJ&J製ワクチンの使用を再開すべきであること、(2)FDAとCDCはJ&J製ワクチンの安全性と有効性を信頼していること、(3)FDAはデータを基に、同ワクチンの利点は、リスクに勝ると判断したこと、(4)これまでに入手したデータによると、血小板減少を伴う血栓症に至る可能性は極めて低いが、FDAとCDCは引き続き慎重にリスクを調査すること、(5)同ワクチンを提供している医療機関は医療機関用のファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを、同ワクチンの接種者、またはその介護人は、接種対象者に向けたファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを確認すべきであること。これらのファクトシートには、J&J製ワクチン接種者に生じた、まれな症状のリスクに関する情報が加筆され、更新されている。

また、FDAとCDCは声明の中で、血栓症が生じたケースが合計15件確認されていることを明らかにした。これには、使用停止勧告時に発表した6件も含まれている。15件とも、18~59歳の女性で発生したという。CDC予防接種安全局のトム・シマブクロ局長は4月23日の諮問会議で、うち13件は18~49歳で発生したと発表している(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版4月23日)。

CDCはウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、血栓症が起きたほぼ全てのケースが50歳未満の女性とした上で、50歳未満の女性に対し、副反応のリスクと、同リスクが確認されていない他社製のワクチンも選択肢としてあることを認識すべきだとしている。

(吉田奈津絵)

(米国)

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