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ウルグアイ大統領、メルコスール規則の柔軟化をあらためて主張

(メルコスール、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2021年04月14日

ウルグアイのルイス・ラカジェ・ポウ大統領は3月29日、アルゼンチンのテレビ番組に出演し、メルコスールの規則の柔軟化について自身の考えを述べた。メルコスールは、2001年以降は全加盟国一致の下、メルコスールとしてのブロック単位でしか通商交渉を行なえず、また、新規の特恵貿易協定に署名できないことが共同市場決議32/00号により定められている。ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの3カ国は、加盟国が柔軟に通商協定を交渉・締結できるよう、メルコスールの規則の柔軟化を主張しているが、アルゼンチンがこれに強く反対している。

ラカジェ・ポウ大統領はまず、3月26日にオンライン形式で行われたメルコスール30周年記念首脳会議の共同声明がなかったのは、メルコスールの規則の柔軟化を共同声明に含めることについて「合意を形成できなかったことが理由」と述べた(2021年3月30日記事参照)。アルゼンチンが反対したとみられるが、明言は避けた。

柔軟化の合意形成が進まないことへの解決策を問われると、ラカジェ・ポウ大統領は具体的な解決策には触れなかったが、メルコスールが世界から取り残されないためにも、「加盟国がメルコスールを開放すべきことにいち早く気づくべき」との考えを示した。また「われわれが何も考えず、何の進展もなければ、次の10年に何が起きるか。世界はわれわれの上を行く。メルコスール創設から30年の間に世界はどう変わったか、どれだけたくさんの自由貿易協定(FTA)が世界中で誕生したか(をみれば明らかだ)」と述べ、強い危機感を示した。

さらに「韓国とのFTA交渉で議論があるように、加盟国ごとに交渉の速度を柔軟化すれば推進しやすい。これによりメルコスールはむしろ健全化する。恐れてはいけない」とも指摘し、柔軟化はメルコスール加盟国に有益だと主張した。

共同市場決議32/00号の見直しの可能性について問われると、同規則の法的有効性について議論はあるが、「有効性について議論をするのではなく、柔軟化についてコンセンサスを得たい」とした。

ウルグアイの貿易相手国は近年、メルコスール域内から域外にシフトしており、中国市場の重要性が高まっている中、同市場におけるオーストラリアやニュージーランドの原産品との競争が激しくなっているという。これを踏まえてラカジェ・ポウ大統領は「台湾と外交関係があるパラグアイを考慮すると、メルコスール加盟国が一緒に中国とFTAを交渉するのは困難だが、メルコスールの原則を柔軟化すれば、中国とのFTA交渉が可能だ」と述べた。

アルゼンチンの複数の報道によると、4月22日に開催が予定されているメルコスール外相会談では、ウルグアイのフランシスコ・ブスティージョ外相が「一時的にでもメルコスールの規則の柔軟化について加盟国が正式に合意すること」と「水準は明らかではないが、対外共通関税の引き下げ」の2つを求めるとみられる。議長国のアルゼンチンは、メルコスールの規則の柔軟化については「先延ばし」、対外共通関税は「国内産業への影響を配慮して、最終製品は引き下げ対象から除外」「原材料を中心に1900品目の関税引き下げ」を提案するもようだ。

メルコスールの規則の柔軟化については、2000年から2005年までウルグアイの大統領を務めたホルヘ・バジェ大統領、その後のタバレ・バスケス大統領(2期)、ホセ・ムヒカ大統領も、柔軟化を主張してきた。世界で締結されるFTAの数が急増する中、創設30周年を迎えたメルコスールは転換点を迎えている。

(西澤裕介)

(メルコスール、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)

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