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IEA、2021年の世界のCO2排出量増加を警告

(世界)

国際経済課

2021年04月27日

国際エネルギー機関(IEA)は4月20日の報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2021年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量が前年比5%(15億トン)増の330億トンになるとの見通しを発表した(注)。この増加率は、世界金融危機において炭素集約型の経済回復がみられた2010年以降、2番目に高い水準だという。IEAは2021年3月の報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、経済活動が停滞、エネルギー需要が減少したことで、二酸化炭素排出量は前年比5.8%減少と発表していたが、2021年はエネルギー需要の回復に伴い、排出量も増加に転じる見込みだ。

2021年の世界のエネルギー需要は、新興・途上国経済圏での需要増などを背景に、前年比4.6%増となる見込み。全化石燃料に対する需要が急増する見通しで、中でも石炭と天然ガスの需要は2019年を上回る水準になるという。石炭需要は4.5%増となり、2019年を上回り2014年以降で最も高い水準に近づきつつあるという。石炭需要の拡大は、部門別にみると4分の3が電力部門に由来する。また、世界全体の需要増加に対し、アジア地域の寄与率は80%以上、中でも中国が50%超を占める。米国やEUでも石炭需要は増加するが、いずれも新型コロナウイルスによる危機以前の水準にとどまる。石油需要は増加をするものの、航空部門が引き続き新型コロナウイルスの影響を受けていることから、ピーク時の2019年の水準を下回る見通しだ。

他方、再生可能エネルギーによる発電は、太陽光や風力による発電増加を背景に、2021年に前年比8%以上の増加が予測される。世界の総電力供給増加分の5割超に、再生可能エネルギーが寄与することになる。太陽光発電は145テラワット時(TWh)増、風力発電は275TWh増となる見込みだ。また、世界の発電量に占める再生可能エネルギーの割合は30%と、2019年の27%から増加し、産業革命以降最も高い割合になる。国・地域別では、再生可能エネルギーによる発電増加の約半分は中国によるもので、このほか米国、EU、インドなども寄与が見込まれる。

ファティ・ビロルIEA事務局長は、2021年の二酸化炭素排出量の増加見込みについて、「新型コロナウイルスの影響からの経済回復は、気候変動に対しては持続可能なものではない、という厳しい警告だ」と述べた。その上で、各国政府が一刻も早く二酸化炭素排出量を削減しない限り、2022年に一層深刻な状況に陥る可能性があると指摘した。

(注)報告には小数点以下の記載がない。以下同様。

(柏瀬あすか)

(世界)

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