イケア親会社、ロシアの太陽光発電事業に出資
(ロシア)
モスクワ発
2021年04月21日
家具小売り大手イケアの親会社インカ・グループ(本社:オランダ)は4月13日、ロシア南西部にある8つの太陽光発電所に出資すると発表した。太陽光発電所の合計発電容量は160メガワット(MW)に上り、同グループ傘下のロシア国内のイケア全17店舗と、同じく傘下でイケアも入居するショッピングセンター「メガ」全14店舗のうち一部の消費電力を賄うことができるという。同グループは2030年までに温室効果ガスの削減量が排出量を上回る「クライメート・ポジティブ」を達成する目標を掲げており、出資はその一環だ。
インカ・グループ傘下のインカ・インベストメンツが、ロシアで太陽光発電事業を行うシンガポール系のソーラー・システムスの子会社「サンライト・エネルジ」「第5事業会社(PPK)」「第6事業会社(ShPK)」各社の株式49%を取得することで合意した。ロシア連邦反独占局の承認が下り次第、出資が行われる(ソーラー・システムス発表、4月13日)。
3社が所有する太陽光発電所は、アストラハン州(2カ所、発電容量30MW)、ボルゴグラード州(4カ所、同90MW)、バシコルトスタン共和国(2カ所、同40MW)の計8カ所。太陽光発電所の総資産簿価は210億ルーブル(約294億円、1ルーブル=約1.4円)。買収額は公表されていないが、純負債が195億ルーブルあるため、10億~20億ルーブル程度とみられている(「コメルサント」紙4月14日)。
インカ・グループは、2021年1月に発行した年次・サステナビリティー(持続可能性)報告書2020年版の中で、2030年までにクライメート・ポジティブを達成するとしているほか、2025年までに同グループが全ての国で展開する事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄う目標を掲げた。この目標達成のため、ロシアや中国、インドで再生可能エネルギー分野の投資を拡大する方針を明らかにしていた。
(浅元薫哉)
(ロシア)
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