レッドゾーンの住民への食料安定供給へ政府主導でオンラインサイト立ち上げ

(カンボジア)

プノンペン発

2021年04月28日

カンボジア商業省は4月21日、新型コロナウイルス対策として設定したプノンペン都内の「レッドゾーン」(注)区域への食料供給のため、オンラインショッピングサイトの立ち上げを発表した。レッドゾーンは感染者が特に目立つエリアのため、境界はバリケードで囲われ、原則として出入りが許されない。加えて、区域内の市場や食料品店には業務活動停止が指示されており、同区域住民の食料確保の支援策として、政府自ら主体となった新システムを導入した。

同省オンラインショッピングサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、プノンペン都のレッドゾーン在住者を対象とし、ネット上で注文と支払い方法の選択ができる仕組みになっている(在カンボジア日本大使館ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。サイトは全てクメール語表示で、現時点ではカップ麺や魚の缶詰、しょうゆ、魚醬(ぎょしょう)、水、干し大根、コメ4種の10品が表示される。

写真 販売商品が一覧で表示される(商業省オンラインショッピングサイトより)

販売商品が一覧で表示される(商業省オンラインショッピングサイトより)

発表前日には、セアン・タイ商業省長官が現地スーパーマーケット系列7社の代表者とオンライン会議を行い、安定した食料供給へ協力を呼びかけた(「プノンペン・ポスト」紙4月21日)が、同サイトに関連した各社の協力状況については現時点不明だ。

また、商業省は23日、15日から22日の間にレッドゾーンへ配達された食料品の数量を発表。それによると、8日間でコメ828袋、魚醬3,858ケース、しょうゆ897パック、魚の缶詰633缶、水1,102ケース、ピュアウオーター102ケース、野菜115キログラム、ソーセージ13キログラムが販売された(「クメール・タイムズ」紙4月23日)。オンラインショッピングサイトの活用が促進されることにより、レッドゾーン指定区域住民へのスムーズな食料供給が期待される。

バス活用の食料販売も実施

行政による食料供給の支援策は、上記オンラインショッピングサイトにとどまらない。例えば、プノンペン都庁は休眠中のバスを活用した「モバイルマーケット」の運営をバス運行会社ビラック・ブン・タンへ許可、ロックダウン域内(レッドゾーンを除く)での食料販売が22日から始まった(「クメール・タイムズ」紙4月23日)。また、ロックダウン国家実施委員会はチャットアプリのテレグラム上でグループを作成し、食料入手が困難な住民からの相談を受け付けている。

(注)カンボジア政府は4月14日、プノンペン都と隣接するタクマウ市のロックダウンを発表(~28日)。19日には感染者が特に目立つ一部区域を「レッドゾーン」として追加指定(在カンボジア日本大使館ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。

(清島優花)

(カンボジア)

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