ハノーバーメッセのパートナー国インドネシアがデジタル分野で存在感

(インドネシア、ドイツ)

ジャカルタ発

2021年04月22日

ドイツのハノーバーで毎年開催される世界最大級の国際総合産業見本市「ハノーバーメッセ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、4月12日から16日にかけてオンライン形式で開催され、世界中から約1,800社が出展した。インドネシアは26年ぶり2度目、ASEANの国としては初となる「パートナー国」(注1)として参加、「インダストリー4.0」導入に向けたロードマップ「メーキング・インドネシア4.0」(2018年4月12日記事参照)など同国の産業高度化に向けた取り組みを紹介した。

デジタル技術を積極的にアピール

同国からは156社・団体が出展。内訳は大企業65社、スタートアップ企業63社、国営企業14社、その他工業団地や省庁となっており、出展企業の中でもスタートアップ企業の存在感が大きいことが分かる。パートナー国として、インドネシアはテーマを「Connect to Accelerate」と設定、「メーキング・インドネシア4.0」による相乗効果で産業を発達させ、各種産業の生産能力技術およびデジタルインフラの向上を目指すとした(パートナー国特設ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。開会あいさつでジョコ・ウィドド大統領は、「新型コロナ禍」におけるデジタル技術の重要性に言及しつつ、「デジタル・トランスフォーメーションは世界を『新型コロナ禍』から救い出すだけでなく、革新をもたらすだろう」と述べた。また、「インドネシアのデジタル経済およびインダストリー4.0は東南アジアで最も進んでいる」とし、「当地には世界で5番目に多い2,193社ものスタートアップ企業が活動し、5社はユニコーン、1社はデカコーン(注2)だ」と同国のエコシステムの先進性をアピールした(大統領府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

出展したスタートアップ企業63社のうち、23社は工業省主導のスタートアップ育成プログラム「startup4industry外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」から選ばれている。その1社であるMAPID外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、地理的情報のクラウドサービスを提供するスタートアップ企業だ。同社ファウンダー兼CEO(最高経営責任者)のバグス・イマン・ダルマワン氏は、見本市3日目までに、複数社から出資のアプローチを受けた、と現地メディアに語った(「IDXチャンネル」4月15日)。

(注1)同見本市では毎年、パートナー国が選定され、政府首脳や企業を招待している。なお、過去にはインド(2015年)、米国(2016年)、ポーランド(2017年)、メキシコ(2018年)、スウェーデン(2019年)が選ばれている。2020年はインドネシアの予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により見本市自体が中止となっていた。なお、インドネシアは2023年にもパートナー国になることが決まっている。

(注2)ユニコーン企業とは、株式評価額(時価総額)が10億ドル以上と評価される、非上場のベンチャー企業。デカコーン企業は、100億ドル以上となる。

(上野渉)

(インドネシア、ドイツ)

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