深センの有力民営企業が自動運転分野に参入

(中国)

広州発

2021年04月28日

電気自動車(EV)の開発が進み、人工知能(AI)が広く応用されるに伴い、中国・深センの有力民営企業が自動運転分野に参入している。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は、4月12日に自動運転ソフトウエアに対する投資を強化することを発表した。徐直軍副会長は「われわれは変わらず情報通信技術(ICT)に集中し、スマートカーへの関連システムおよび部品の供給に注力する」と強調した。4月19日から開催されている上海モーターショーでは、同社は北京汽車集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、北汽新能源のARCFOXブランドと提携し、自動運転システムを搭載した「HUAWEI HiCar(ハイカー)」を発表した。

ファーウェイが3月に発表した2020年の決算説明資料によれば、2020年の売上高は前年比3.8%増と、前年(19.1%)の伸び率から15.3ポイント低下した。これについて、胡厚崑輪番会長は、ICチップの供給問題でスマートフォンの販売が影響を受けたことを認めた。スマートフォン事業が落ち込んでいることから、自動車関連事業を強化する、としている。

また、ドローンメーカーのDJI(大疆創新)は4月12日、自動運転システムと基幹部品の研究開発、生産、販売に参入すると表明し、上海モーターショーにおいて、同社の自動運転システムと基幹部品を発表した。また、上汽通用五菱汽車(SGMW)も、DJIとの戦略提携を発表している。戦略提携は、DJI傘下の自動運転システムブランドの大疆車載と組み、部品調達のほか、上汽通用五菱汽車と共同で自動運転システムの実装を推進する。DJIの自動運転システムを搭載するBAOJUNブランドの車種は2021年内に発売の予定。

広東省政府は、3月18日に「先進製造業プロジェクトの投資・建設を強化すための若干の措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、電子情報、自動車、先進材料、新エネルギーなどの戦略産業に対し、補助金の支給、企業誘致、科技イノベーションプラットフォーム構築などの支援措置を打ち出し、発展を後押ししている。

(梁梓園)

(中国)

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