福島第1原発の処理水処分、輸入水産物の監視体制の強化を発表

(韓国、日本)

ソウル発

2021年04月21日

韓国の海洋水産部は4月13日、「福島原発汚染水(注1)の海洋放出に関する海洋水産対策-海洋水産部、汚染水流入監視および水産物安全管理を重点的に推進-」を発表した。対策の概要は以下のとおり。

(1)全国の沿岸海域に対する放射性物質の監視網を細分化し、トリチウム、セシウムなど放射性物質の国内海域への流入状況の監視を強化する。

(2)福島原発汚染水の海洋放出による水産物安全の懸念を最小限に抑制するため、食品医薬品安全処、海洋警察庁、自治体などの関係機関との協力をさらに強化し、以下のとおり水産物の安全を確保する。

  1. 国内水産物の場合、サンマ、ワカメなど40種類余りを対象とした放射能検査(注2)を食品医薬品安全処の強化された検査方法(注3)に従って綿密に行い、国内水産物の安全性を担保する。
  2. 海洋への放出が実施された際は、上記1.の汚染水が流入する海域で生産される水産物と遠洋水産物に対する放射能検査を拡大する案を関係省庁と協議を予定。
  3. 輸入水産物に関する安全管理を強化する。現在、輸入水産物放射能検査を通じて、安全性が確認された水産物のみが輸入されているが、海洋水産部は韓国国民の健康が危害にさらされないよう、日本産などの輸入水産物に対する流通履歴の管理(注4)と原産地の取り締まりなどを強化、食の安全を一層確保する。

(注1)原文をそのまま引用、以下同じ。

(注2)2020年は2,699件の検査を実施し、全て基準値以内。

(注3)放射能検査にかかる分析時間を従来の1,800秒から1万秒に延長。

(注4)輸入水産物を国内で取引する場合、流通段階別取引明細の申告を義務化。現在17品目が告示され、このうち8品目(ホタテガイ、ホヤ、マダイ、ブリ、スケソウダラ、タチウオ、ガンギエイ、ヌタウナギ)は日本からの輸入実績がある。

(当間正明)

(韓国、日本)

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