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カーボンニュートラル達成に向けて、2021年の粗鋼減産を表明

(中国)

中国北アジア課

2021年04月20日

中国鉄鋼団体の中国鋼鉄工業協会は4月12日、習近平国家主席が打ち出した目標である2030年の二酸化炭素(CO2)排出のピークアウト、2060年のカーボンニュートラルの実現のため、2021年は粗鋼の生産能力を抑え、減産すると発表した。

国家発展改革委員会と工業情報化部が4月1日、「2021年に鉄鋼過剰生産能力の解消について、過去を振り返り、粗鋼生産量の減少などを研究・実行する」との通知を発表しており、これに応えるための措置となる。同通知では、2016年以来行ってきたサプライサイドの構造改革の成果が上がっているとしつつも、一部では業績が好調になると、地方政府や企業がむやみに鉄鋼プロジェクト建設に走る傾向があるため、各地の鉄鋼産業の生産能力状況を検査するとした。検査により、環境保護水準やエネルギー消費効率の低い企業に重点的に減産させ、2021年の粗鋼生産量を2020年比で減少させるとしている。

中国鋼鉄工業協会は、上記通知について、以下3点の対応を打ち出している。

  1. 2016年以降、規則に違反して生産量を増加させた企業や環境保護水準の低い企業は高炉生産量に制限を設ける。CO2低排出企業や、高炉に比べてCO2の排出量が少ない電炉での生産には制限は設けない。
  2. 長年追求してきた自給自足の概念を転換し、旺盛な国内需要を賄うために輸出を減らし、それでも不足する分については輸入により補う。
  3. 粗鋼生産量の減少、低CO2排出鉄鋼生産技術の開発、現在10%ほどにとどまる電炉比率の向上により、第14次5カ年(2021~2025年)規画期間中に鉄鋼業のCO2排出ピークアウトを実現する。

中国の粗鋼生産量は、サプライサイドの構造改革が行われてきた2016年以降も増加を続けており、2020年には4年連続で過去最高を更新し10億5,000万トンに達した(添付資料図1参照)。一方、鉄鋼(HS72)および鉄鋼製品(HS73)の輸出入をみると、中国は過去一貫して輸出大国だったが、2016年以降輸出量は減少し続けている。そして、2020年の輸入量は、同年上半期に新型コロナウイルス感染拡大の影響で国内メーカーが減産したものの、下半期には経済活動が徐々に正常化し、景気刺激策を受けた需要増が重なり、前年比2.3倍と急増した(添付資料図2参照)。鉄鋼業はCO2排出抑制の重点産業で、目標達成のためには粗鋼減産は今後も避けがたく、旺盛な国内需要を賄うため、輸出減少と輸入増加の継続が確実とみられる。

(江田真由美)

(中国)

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