新型コロナワクチンの接種証明を簡便に

(シンガポール)

シンガポール発

2021年04月06日

シンガポールのジャニル・プトゥチアリー上級国務相(保健、情報通信担当)は4月5日の国会答弁で、個人が新型コロナウイルスのワクチン接種の有無の証明を簡単にできるようにすると述べた。具体的な証明方法について保健省が後日、発表する。

また、同上級国務相は答弁で、シンガポールが現在、各国・地域と新型コロナワクチン接種の相互認証について話し合いを進めていると述べた。同国はこれまでに、中国やオーストラリア、ニュージーランド、マレーシアなどと相互認証の協議を進めている。ただ、同上級国務相は「多くの国々はワクチン接種を始めたばかりだ」と指摘した上で、「水際対策は各国の新型コロナウイルス感染者数や感染対策などの要素も考慮する必要があり、国境を越えたワクチン接種の相互認証の導入には時間がかかる可能性がある」との認識を示した。

シンガポールでは、3月24日から45~59歳の国民と外国人の就労パス保持者を含む長期在住者を対象に、ワクチン接種希望者の受け付けを開始している(2021年3月26日記事参照)。保健省によると、4月3日時点で約105万人が少なくとも1回目のワクチン接種を終えている。同省は45歳未満の国民と外国人の長期滞在者について、6月から接種希望の受け付けを開始する予定。

5月からIATAのトラベルパスで検査結果共有可能に

一方、シンガポール民間航空庁(CAAS)は5月1日から、シンガポールへの渡航者を対象に、チャンギ空港の到着時や航空会社のカウンターでのチェックイン時に、国際航空運送協会(IATA)が推進する携帯アプリ「トラベルパス」を使って、新型コロナウイルスの検査結果を提出することができると述べた。

トラベルパスはこれまでに、シンガポール航空を含む20社以上の航空会社が導入に向けた実証実験を実施。同パスは4月下旬からダウンロードが可能になる見通し。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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