新型コロナ感染拡大による規制導入を発表、ワクチン接種も進む

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年04月06日

ルーマニア政府は3月25日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、同月28日からの新たな行動規制の導入を発表した。27日までは自治体ごとに直近2週間の1日当たりの新規感染者数が人口1,000人につき3人を超えた場合に、飲食店の屋内営業禁止や映画館・劇場の公演禁止などの制限措置を取っていた。28日から導入された行動規制は以下のとおり。

(1)人口1,000人当たりの1日の新規感染者数が4.0人超~7.5人以下の自治体

  • 月曜から木曜は午後10時~翌日午前5時、金曜から日曜は午後8時~翌日午前5時の外出禁止。
  • 宅配業務を除き、全ての事業者は営業時間を月曜から木曜は午前5時~午後9時、金曜から日曜は午前5時~午後6時に限定。

(2)人口1,000人当たりの1日の新規感染者数が7.5人超の自治体

  • 曜日にかかわらず、午後8時~翌日午前5時の外出禁止。
  • 宅配業務を除き、全ての事業者は曜日にかかわらず営業時間を午前5時~午後6時に限定。

(3)共通部分

  • 通勤や医薬品の購入、空港との往来、介護など、やむを得ない理由での外出は証明書類を持参。
  • 業務による外出の場合は、社員証や雇用主が発行した証明書の提示が求められ、個人的な理由での外出については自己宣言書の提示が求められる。

なお、4月5日時点の首都ブカレスト市の新規感染者数は1,000人当たり6.83人となっており、上記(1)の規制が実施されている。

3月29日には、今回導入された規制に反対する1,500人規模(ルーマニア憲兵隊推定)のデモがブカレスト市で発生し、それ以降も類似したデモが主要都市で突発的に発生しているもようだ。

他方、国内ではワクチン接種も着実に進んでいる。国内には現在800カ所を超える接種ステーションがあり、無料で受けることができる。3月15日からは一般向け接種も始まった。4月5日時点のワクチン接種者数は213万2,024人で、うち1回のみ接種した人が90万5,042人、2回接種した人は122万6,982人に上る。1回でも接種した人の割合は全人口の11.0%に達した。

政府は4月に330万本、5月に500万本のワクチンを輸入し、ワクチン接種をさらに加速するとしている。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア)

ビジネス短信 6d21e5014e2456c7