タミル・ナドゥ州、新型コロナ再拡大で一部時間帯の厳格なロックダウン発表

(インド)

チェンナイ発

2021年04月20日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州は4月18日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、夜間(午後10時~翌日午前4時)と日曜日の活動を厳しく制限する通達を発出、20日から施行した。主な内容は以下のとおり。

  • 日曜日は、レストランは持ち帰りに限り、制限された時間(午前6時~午前10時、正午~午後3時、午後6時~午後9時)のみ料理の提供が可能。宅配サービスは食料品に限り、上記制限時間のみ営業可能。
  • 食料品店やショッピングモールなどの全ての店は、日曜日は営業不可(ただし、野菜や新聞、医薬品などの販売に一部例外あり)となり、日曜日以外も午後9時までの営業とし、収容可能人数は半数以下に制限。
  • 夜間と日曜日のあらゆる移動を禁止。ただし、病院や空港・駅へのタクシー、オートリキシャによる移動、医療や食料品、貨物、ガソリンなどの必要不可欠な輸送と、ガソリンスタンドの営業は可能。
  • 連続生産をする工場、必需品を製造する工場は操業可能だが、事業者は従業員に許可文書ないし職員証を持たせなければならない。
  • IT企業は少なくとも従業員の半数以上を在宅勤務させる。
  • 民間病院と共同でホテルを新型コロナウイルス感染患者専用の施設とすることが可能。その場合、他の宿泊客を建物内に入れてはならない。

TN州では、1日当たりの新規感染者数が拡大傾向にある(添付資料図参照、4月18日時点)。現在、インド全州で7番目に多い7万人以上のアクティブ患者(注)を抱えている。感染拡大が収まっていた1月から3月中旬には、1日当たりの新規感染者は1,000人を下回っている日が多かったが、目下の状況を踏まえれば、西部マハーラーシュトラ州ムンバイや首都デリーのように感染の再拡大が懸念される。今回の通達は、従来の措置(2021年4月9日記事参照)と併せての施行となるが、今後さらに厳格な措置が取られる可能性もあり、常に最新の通達や報道を確認することが必要だ。

(注)感染者数から回復者数と死者数を除いた数。

(浜崎翔太)

(インド)

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