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欧州委のタクソノミー基準リスト、産業界からは歓迎や不安の声

(EU)

ブリュッセル発

2021年04月27日

欧州委員会が4月21日に発表した、持続可能な経済活動のタクソノミー基準を明示した委任規則(2021年4月22日記事参照)について、欧州商工会議所(ユーロチェンバース)は同日、政策提案書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。同会議所は、同規則の付属リストで示された範囲が広範で、特に中小企業など企業、金融機関の資金調達に当たって難題となるとした。さらに、基準値や評価基準が厳しすぎると、コスト効率のよい、段階的なグリーン化への移行を進められない恐れがあるとした。その上で、中小企業の負担軽減や資金調達のための支援措置や、投資市場に不確実性が生じないよう同規則と既存の法令との一貫性確保を求めた。また、同規則の適用開始(2022年1月1日)までの期間が短いことから、タクソノミー基準の適用を支援するための企業向けオンラインツールの提供や、中小企業に対しては適用猶予期間を設けることなどを提案した。

欧州委が今回の付属リストに含めず、2021年内に採択する補完的な委任規則に含めるとした、ガスおよび原子力エネルギー分野の産業団体も声明を発表した。ガス事業者団体ユーロガス(Eurogas)は4月21日付声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、脱炭素化の過程で、無理のないエネルギー転換のためには天然ガスを最大限に活用することだとして、補完的な委任規則に、石炭からガスへの移行が含まれるように業界側も協力する用意があるとした。また、欧州原子力フォーラム(FORATOM)は4月21日付声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「欧州委は、タクソノミー基準は科学的な見地に基づく必要があると認識している」として、原子力の扱いが今回、判断されなかったことを歓迎した。FORATOMは、補完的な委任規則は「原子力は他のタクソノミーに合致するエネルギー技術と同様に、持続可能な技術だ」とした欧州委共同研究センター(JRC)の報告書の結論と整合する内容となるとし、市場への影響を考慮して、欧州委に対して、できるだけ早く規則案を公表するように要望した。

農業界はCAP採択後に速やかに盛り込むように求める

今回、農業も付属リストに含まれなかったが、欧州最大の農業生産者団体COPA-COGECAは4月22日、進行中の次期共通農業政策(CAP)の議論との一貫性を持たせるため、先送りを歓迎しつつも、CAP採択後、農業を速やかにタクソノミー基準に盛り込むことを求めた。今回、バイオエネルギーを含むバイオエコノミーと林業がリストに含められた点に関しては、COPA-COGECAは、小規模の森林所有者の負担軽減が図られていることや、食用・飼料用穀物によるバイオプラスチックの製造などが認められたことを歓迎した。しかし、林業の気候関連の便益分析に関する報告や、運輸燃料用のバイオ燃料などの製造に食用・飼料用穀物を用いることが認められなかったことなどへの不満を示した。

(滝澤祥子)

(EU)

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