キルギスで憲法改正を問う国民投票、大統領権限強化へ

(キルギス)

タシケント発

2021年04月13日

キルギスで4月11日、大統領権限を強化する憲法改正を問う国民投票が行われ、サディル・ジャパロフ大統領を支持する国会議員が提出した改正法案が賛成多数となった。キルギス中央選挙管理・国民投票運営委員会の速報によると、投票者数は129万4,076(投票率35.9%)で、賛成は102万6,917票(79.31%)、反対は17万6,701票(13.65%)だった。

改正法案によると、大統領の任期が現行の最大1期6年から2期10年(1期5年)に延長されるほか、大統領に首相、省庁および国会委員会の長、地方首長などを任命・解任する権限が付与される。一方、議会の権限は大幅に縮小され、議員定数は120から90に削減される。

米国政府は、今回の憲法改正手続きでは法案作成の段階から規定違反が繰り返されており、新憲法は大統領に裁判官と法執行機関の長を任命する権限を与えていることから、権力分立の原則を弱める懸念があると警告している(ラジオアザティク3月26日)。

(高橋淳)

(キルギス)

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