子供の2人に1人が肥満または過体重、新型コロナの影響で増加

(チリ)

サンティアゴ発

2021年04月05日

チリの国家教育扶助・奨学金評議会(JUNAEB)は3月25日、国内にある8,440の教育機関に通う4~5歳、5~6歳、6~7歳、10~11歳、14~15歳の生徒(注)73万6,369人を対象に実施した肥満度調査の結果を年齢別、性別、地域別に分類した統計データを発表した。同データによると、2020年に「肥満」に分類された生徒の割合は、前年から2.0ポイント増加し、25.4%となった(添付資料表参照)。また、調査対象となった生徒の半数を上回る54.1%が「過体重」または「肥満」に分類され、「肥満」の生徒のうち7.6%が「重度の肥満」となった。一方で、「普通体重」の生徒は、前年から2.9ポイント減の38.2%で、2010年以降最低の水準となった。

年齢別にみると、5~6歳の肥満率が29.5%と最も高く、次いで4~5歳(28.6%)、同率で6~7歳と10~11歳(27.9%)、14~15歳(13.1%)の順となっている。性別でみると、「肥満」に分類される女子生徒は22%、男子生徒は28%で、女子生徒より男子生徒の肥満率が高い。地域別にみると、最も肥満率が高かった州はアイセン州(29.7%)、マウレ州(28.1%)、アラウカニア州(27.4%)の3州で、チリの中部から南部に位置する地域で肥満率が高い傾向にある。また、都市部の肥満率が24%の一方、農村部は29%となっており、農村部の肥満率の方が高いことが分かった。

今回の調査結果についてJUNAEBは、新型コロナウイルス感染拡大による対面式授業の中断や、長期の外出制限により、子供の運動時間が減少し肥満率が増加したとみている。また、貧困と肥満の関連性も指摘しており、学校、地域社会、家庭が一丸となって課題解決に取り組むべく、学校給食プログラムの改善、肥満解消プログラムの実施、食育の推進、地域における運動スペースの増加などを今後の戦略として挙げている。

(注)学年による区分。4~5歳がプレ・キンデル(pre-kínder)、5~6歳がキンデル(kínder)、6~7歳がプリメロ・バシコ(1° básico)、10~11歳がキント・バシコ(5° básico)、14~15歳がプリメロ・メディオ(1° medio)の生徒となる。

(岡戸美澪)

(チリ)

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