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カザフスタン政府、社会インフラのデジタル化を加速へ

(カザフスタン)

タシケント発

2021年04月27日

カザフスタンのアスカル・マミン首相は4月19日、大統領直属のデジタル化推進委員会会議を開催した(カザフスタン大統領府公式ウェブサイト4月19日)。会議では、バグダット・ムシン・デジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業相、アレクセイ・ツォイ保健相ら関係閣僚が、デジタル化の進捗状況を報告するとともに今後の課題について議論した。

政府は社会インフラのデジタル化を推進するため、国家プロジェクト「Digit EL(Digital Era Lifestyle」を進めており、2021年から2025年までにカザフスタン国内全域への高速インターネット網普及と、全国民の受診履歴を記録した電子健康パスポートの導入、IT産業や電子機器産業への投資誘致と雇用創出を目指す。同時に、IT人材教育のための教育施設も5つ新設する。

政府は、世界的潮流となっているスマートシティー(注1)を重要戦略と位置付け、首都ヌルスルタン、アルマトイなどの大都市を中心に整備を進めている。このプロジェクトにより、これまで交通事故による死者数の5割減、光熱費の2割節減、公共交通機関料金徴収の3割増などの成果がみられた。医療分野では、電子健康パスポートとともに、医療用画像管理システム(PACS)(注2)の導入を準備中だ。既に試験的に一部の地域で導入され、がんや肺疾患の早期発見と治療により、効果が実証されている。

政府がデジタル化を急ぐ背景には、石油など天然資源に代わる産業を育成することで雇用を確保する狙いがある。デジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省によれば、2020年末時点でカザフスタンの農村地域の8割でインターネットが接続できるようになった。2021年からはヌルスルタンで、2022年末までにはアルマトイ、シムケントで第5世代移動通信システム(5G)の導入が開始される(情報ポータルサイト「リーテル」2021年3月6日)。また、政府は、米国の航空宇宙企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)と衛星インターネットアクセスの交渉を進めており(注3)、アルマトイ近郊に中継局を設置し、周辺地域へのインターネット通信を試験的に実施する計画だ(「ザコンKZ」4月19日)。

(注1)IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の先進技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら人々の生活の質を高め、持続的な経済発展を目的とする都市のこと。

(注2)CT、MRIなどで撮影した画像データを、ネットワーク上で保管・管理するシステム。カザフスタンでは保管・管理センターを設置し、国が一括で管理する計画。

(注3)スペースXが提供する、低軌道衛星コンステレーション「スターリンク」によるインターネットサービス。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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