ロシアEC最大手、米国にオンラインストア開設

(ロシア、米国、EU)

欧州ロシアCIS課

2021年04月14日

ロシアの電子商取引(EC)最大手ワイルドベリーズが国外展開を本格化させている。同社はEC巨大市場の米国にオンラインストア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開設した。4月12日に各メディアが報じた。

ワイルドベリーズによるロシア国外でのオンラインストア開設は今回で14カ国目となる。事業戦略の1つとして国外展開を掲げ、CIS諸国に加えて、2020年以降は欧州への展開を加速させている。2021年1月にドイツ、2月にはフランス、イタリア、スペインに各国言語に対応したオンラインストアを開設した。米国のストアは英語表記となっており、各国ストア同様にウェブサイトとモバイルアプリの両方から利用できる。現地物流パートナーと提携し、自宅やオフィスまで荷物を直接配送できる仕組みを構築している。

ワイルドベリーズは衣料品や靴といった服飾製品をはじめ、美容製品、電子機器、家庭用品など約4万のブランドから約550万点の商品を提供しており、日本ブランドの製品も多数扱っている。2020年の売上高は国内取引が牽引して、前年比2倍の4,372億ルーブル(約6,121億円、1ルーブル=約1.4円)に達した(2021年3月2日記事参照)。国外でのオンラインストア開設により、今後は国外売り上げの増加も見込まれる。

ECを専門とする調査会社データインサイトによると、2020年のロシアからの越境ECによる輸出先は、ベラルーシ(22.3%)、カザフスタン(17.7%)、米国(17.3%)、西欧諸国(10.8%)、ウクライナ(5.6%)が上位を占めた。

(戎佑一郎)

(ロシア、米国、EU)

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