インドネシア、断食明け大祭前後の人の移動を規制

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年04月19日

インドネシア政府の新型コロナウイルス対策ユニットは4月7日、新型コロナウイルス感染症の国内での感染拡大防止の観点から、5月6日から17日まで、一部の例外を除き、国・州・県・市の境を越える移動を禁止する通達を発表した。

インドネシアでは、4月13日から断食月(ラマダン)が開始された。ラマダンは5月12日まで続くが、その後にある断食明け大祭(レバラン、2021年は5月13、14日)には、例年、約2,000万人が帰省・旅行のための移動を行う。今回の移動規制は、こうした帰省や旅行による感染拡大防止を目的としている。物流サービス用車両の移動や出勤・出張、病気家族の訪問などを目的とする移動は、規制の適用外とされるが、出入域許可証(Surat Izin Keluar Masuk:SIKM)の携行が必要となる。また、ジャカルタ首都圏(ジャカルタ首都特別州、西ジャワ州のボゴール市、ボゴール県、デポック市、ブカシ市、ブカシ県、バンテン州のタンゲラン市、タンゲラン県、南タンゲラン市)外の住人が、ジャカルタ首都特別州の出入りを行う場合も、同様にSIKMの携行が必要となる。SIKMは2020年5月にも導入され、物流や社員の通勤に際し日系企業にも影響が出たが(2020年5月25日記事参照)、今回の措置が外国人に適用されるかは不明確だ。なお、移動規制の最新情報に関しては、在インドネシア日本大使館のウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照のこと。

ジャカルタ特別州では、ラマダン期間中の飲食店営業時間を延長

ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事は4月9日、州知事決定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を出し、「小規模のコミュニティ活動の制限(Micro-based PPKM)」(2021年3月2日記事参照)を一部変更した。これにより、飲食店の店内飲食を、それまでの午後9時から1時間半延長し、午後10時30分まで可能とした。さらに、断食中に行う夜明け前の食事のために、午前2時から4時30分までの間についても認めた。また、テイクアウトやデリバリーについては24時間営業を認めた。一方、ショッピングモールは従来どおり、午後9時に閉店となり、モール内の飲食店はその営業時間に準じることになる(「コンパス」紙4月14日)。

(上野渉)

(インドネシア)

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