首都リマが再び極限警戒レベルに、感染者数は増加の一途

(ペルー)

リマ発

2021年04月22日

ペルー首相府(PCM)は4月16日、4月30日に期限を迎える緊急事態宣言を5月1日から31日にかけて延長する大統領令第076-2021-PCM号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを官報公示した。また、同令では4月19日から5月9日までの感染警戒レベル別の規制についても定められた。

3月下旬~4月上旬は「最上級警戒レベル」に指定されていた首都リマ(2021年3月30日記事参照)が、最も規制の厳しい「極限警戒レベル」に再び引き上げられ、日曜日は終日外出禁止になった。今回、新たに27県1特別区を含む40県1特別区が「極限警戒レベル」に引き上げられている。さらに、同令では、人々が密集することが予想されるショッピングセンター、市場、スーパーマーケット、商業または製造業の集合体(Conglomerado)などへ入る際は、これまでのマスク着用義務に加えて、フェイスシールドの着用が義務化された(その他の規制対象地域と内容については添付資料表を参照)。

ビオレタ・ベルムデス首相は、今回の大統領令について「感染は拡大傾向にある。死亡者については先週から約43%増加している」とコメントし、新たに、保健省(MINSA)や地方自治体に、新型コロナウイルス対策人員の臨時雇用権限付与と、3億2,600万ソル(約94億5,400万円、1ソル=約29円)の予算計上を発表した。

一方、全国のワクチン接種計画については、当初予定していた医療従事者、警察・軍部従事者などを対象とした第1段階は、対象者への2回目の接種まで終了したが、後から対象となった80歳以上の高齢者への接種が4月に始まり現在進行中だ。フランシスコ・サガスティ政権は、既に2021年内分として4,824万1,150回分のワクチンの購入契約を済ませている。製造元別では、中国のシノファーム製ワクチンが100万回分、米国ファイザー製が2,000万1,150回分、英国アストラゼネカ製が1,404万回分などとなっている。このほかでは、ワクチンの国際的な共同購入の枠組み「COVAXファシリティー」経由で、1,320万回分のワクチンの契約を済ませている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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