カーボンニュートラル実現へ、CCUS推進組織を発足

(韓国)

ソウル発

2021年04月12日

韓国産業通商資源部は4月7日、カーボンニュートラル社会の実現に向けた中核技術であるCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)に関し、推進母体となる「K-CCUS推進団」の発足を発表した。

同推進団には約50社の民間企業や10社のエネルギー分野の公企業、15の研究機関、20の大学が参加し、CCUSの技術開発に関するニーズの把握や結果普及などを通じて、政府に提案することを目的とする。また、常設事務局を設置し、CCUS産業の育成や国内外の技術・情報交流、技術開発、人材育成、国際協力業務も担うとしている。

同推進団は実証事業や開発した技術の普及拡大のため、以下の技術について商用化を目標としている。

1.CO2回収技術

鉄鋼やセメント、石油化学、水素、液化天然ガス(LNG)発電所などから発生した二酸化炭素(CO2)の回収技術について、2021年から2024年までに600億ウォン(約58億8,000万円、1ウォン=約0.098円)を投じ、中規模程度のテストベッドを構築して段階的な実証事業を実施する。また、国内のガス田から水素を回収する実証事業に向け、2021年下期に妥当性調査を実施。

2.CO2貯留技術

CO2の貯留技術については、上記1.の妥当性調査を実施後、枯渇したガス田(2022年6月にガスの生産を終了)で活用し、2023年~2024年にプラント建設、2025年~2054年の30年間に年間40万トン級のCO2を貯留する。

3.有効利用

2021年から2024年にかけて340億ウォンを投じ、「貯留:S」を除く主要CCU製品である低炭素セメント、ポリウレタン、一酸化炭素などの早期実用化・商用化に向けた実証事業を開始。

政府の取り組みとしては、(1)2023年までに国内の大陸棚を探査・掘削し、経済性と安全性を確保した1億トン級のCO2貯留地の確保、(2)「CCU実証および事業化支援センター」の設置、(3)「CCUS産業育成および安全管理に関する法律」(仮称)の制定などを通じ、産業界を後押しする予定としている。

(当間正明)

(韓国)

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