ファーウェイに首相特別賞、5Gでのデジタル経済・社会への貢献を評価

(タイ、中国、ASEAN)

バンコク発

2021年03月30日

中国系ファーウェイ・テクノロジーズ・タイランドは3月9日、外国企業としては初めて「デジタル国際企業賞オブ・ザ・イヤー」の首相特別賞を受賞し、プラユット首相から表彰を受けた(同社発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。受賞に当たって評価された同社の取り組みは以下のとおり。

1.デジタル経済への貢献

  • オープンラボ・バンコク:モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、クラウドなどのソリューションをワンストップで提供。タイやASEANの顧客、情報通信技術(ICT)業界の起業家向けに、検証プラットフォームや研修サービスを提供。
  • 第5世代移動通信システム(5G)東部経済回廊(EEC)テストベッド:東南アジア初の5Gテストベッドを、カセサート大学シラチャキャンパスに設置。
  • タイ5Gエコシステム・イノベーションセンター:デジタル経済社会省、デジタル経済振興庁(DEPA)と共同で設立。中小・新興企業、開発者、教育機関による5Gアプリやサービスのためのデジタル技術開発や、デジタル人材育成・スキル向上のためのサンドボックスとして機能。

2.社会発展への貢献

  • 病院向け人工知能(AI)支援ソリューション:ラマティボディ病院、シリラート病院にAIソフトを提供。5G技術を用いて新型コロナウイルス診断の高速化、効率化を支援。
  • 保健省向け遠隔医療ビデオ会議システム:タイの医療スタッフの感染リスクを低減したり、医師が遠隔地でオンライン診察を行ったり、患者が自身のスマート機器を介して診断、治療、モニタリングを受けることができる。
  • 5G利用の無人車両:病院内の医療品を非接触で配送。現場作業員の感染リスクを低減。

3.人的資本開発への貢献

  • ファーウェイASEANアカデミー:地場企業、技術・エンジニア学校と提携し、5年以内に10万人のデジタル人材を輩出する。
  • ファーウェイの専門家や主任科学者による5Gコース:5Gの潮流や商業化計画、5G規格、利用事例、ビジネスモデルのアイデアなどのトピックを取り上げた研修コースの提供。

数年内に5Gが主流に

3月22日付の「バンコク・ポスト」紙によると、ファーウェイはDEPAと協力し、タイにおける5G、AI、クラウドなどの開発をさらに加速すると発表。タイにおける5G普及率は2021年の10%から数年内に25%まで上昇し、主流となる見通し。

タイの技術者を育成するため、5Gサミット、5G産業連携、5Gハッカソンなどの実施を予定するほか、次世代経済に向けた業界指針となる「5G白書」も発表する。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、中国、ASEAN)

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