抗原検査の実施義務対象を全ての企業に拡大

(チェコ)

プラハ発

2021年03月24日

チェコ政府は3月22日、企業の抗原検査義務に関して、従業員数1~9人の企業も対象に組み入れることを決定した。これにより、国内企業は従業員数にかかわらず全ての従業員に対して抗原検査実施が義務付けられることになる(2021年3月3日記事3月17日記事参照)。従業員数1~9人の企業においては、4月6日以降、過去7日間に抗原検査を受けていない従業員の職場への立ち入りが禁止される。

なお、営利企業以外に関しては、公共機関では既に全従業員が検査義務の対象と定められているほか、従業員1人以上の非政府非営利団体、さらに個人事業者(職場で家族以外の人と接する場合)も今回の対象に新たに追加された。

カレル・ハブリーチェック産業貿易相によると、現時点で企業、公共機関の従業員280万人が抗原検査の対象となっており、1日当たり30万~40万人が検査を受けている状態にある。今回の対象拡大により、110万人に対して新たに義務が課せられることになる。

検査頻度に関しては、いずれの対象者においても1週間当たり1度が義務付けられているが、現在、政府は頻度の引き上げを検討している。「1週目、2週目、3週目の検査結果を分析し、その成果が確実に証明された場合、頻度引き上げが決定される可能性がある」と、同相は説明している。

産業連盟は3月18日、検査頻度の引き上げ前に政府が成すべきこととして、3点の条件を公表した。うち1点は、中小企業、大企業のみならず、全ての被雇用者に対する抗原検査実施の義務付けだ。これは今回の政府決定により、満たされるかたちとなった。

産業連盟は残りの2点として、政府が奨励する検査キットの質を国家検査・認証機関が検証すること、セルフ検査キット1点当たりの補助金額を現在の60コルナ(約294円、1コルナ=約4.9円)から最低90コルナに引き上げること、を求めている。また、従業員1人当たりの補助金月額上限が検査4回分から、8回分に引き上げられれば、施行義務が課される検査回数が月4回のまま留保されても、大部分の企業で週2度まで検査頻度を自主的に引き上げるだろうと提言している。

(中川圭子)

(チェコ)

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