「中欧班列」貨物列車の陸海複合一貫輸送ルートが実現

(中国)

広州発

2021年03月03日

中国の深セン税関は2月18日、深センの平湖南ターミナルに到着したポーランド発の国際定期貨物列車「中欧班列(湾区号)」に積まれていた貨物が、初めて蛇口港から船便で韓国の仁川へ輸送されたと発表した。欧州~深セン~アジアをつなぐ海路と陸路を組み合わせた中欧班列の輸送ルート(陸海複合一貫輸送ルート)が開通したことになる。

中欧班列を利用した貨物輸送を手掛ける深セン中外運物流によると、これまで、欧州~深セン~アジアの貨物輸送は主に海上輸送によるもので、約45日かかっていた。今回の陸海複合一貫輸送ルートの利用により、所要日数を約22日(注)に短縮できるとのこと。

日本~中国~欧州の陸海複合一貫輸送としては、日通が日本からアモイまで貨物を海上輸送し、その後、中欧班列を利用して欧州までの陸上輸送を手掛けてきた。こうしたルートに加えて、今後、華南の港と鉄道が連結され、新たなルートが開通すれば、多様性が高まることが期待できる。

欧州~深センの国際定期貨物列車「中欧班列(湾区号)」は、2020年の8月18日から週1便の運行が開始され、深センからドイツのデュースブルクまで片道16日間で運行している。加えて、2020年10月16日にはカザフスタン、ロシア、ウクライナを経由して、ハンガリーのブダペストへの直行便も開通した。そうした都市からポーランド、フランス、スペイン、イタリア、ロシア、カザフスタンなどへもつながっており、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)で製造された機械設備、防疫物資、家電製品を欧州およびアジアの中欧班列沿線国家へ輸送している。

深セン税関の統計によると、「中欧班列(湾区号)」は2020年8月18日の運行開始から2021年1月までに、計33便、延べ1万6,000トン、9億元(約144億円、1元=約16円)の貨物を輸送した。

(注)実際の運行状況については、現地の物流業者などへの確認を。

(盧真)

(中国)

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