次世代蓄電池助成プロジェクト第2弾のうち、4社分の助成内容が判明

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年03月31日

ドイツ経済・エネルギー省は3月10日、EU域内の蓄電池供給体制を強化すべく、個別企業を助成するプロジェクト「欧州バッテリー・イノベーション」第2弾に参加するドイツ国内に拠点を有する企業11社のうち、4社に対する具体的な助成内容を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

欧州委員会と、ドイツを含む複数のEU加盟国は2019年から、「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」(2019年12月10日記事参照)の枠組みで、域内の次世代電池サプライチェーンの構築を目指している。今回発表されたのは、欧州委員会が1月26日に承認した第2弾の次世代電池に関する国家助成プロジェクト(2021年2月4日記事参照)で採択された企業の一部に対するもの。

今回発表された4社は、2社がドイツ南東部のバイエルン州、2社がドイツ東部のザクセン州に所在する。

バイエルン州企業のうち、1社はSGLカーボン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(SGL Carbon)。同社は本プロジェクトで、蓄電池負極(アノード)材料の新製造工程および再利用の研究・産業化を目指す。同社に対して、連邦政府およびバイエルン州が2029年までに総額4,290万ユーロを助成する。もう1社はアルミナ・システムズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Alumina Systems)で、ナトリウム塩化ニッケル(Na/NiCl2)を基礎にした家庭用・産業用の定置用蓄電池のセル開発を行う。同社には、連邦政府およびバイエルン州が合わせて870万ユーロを助成する。

ザクセン州の企業のうち、1社はスケルトン・テクノロジーズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Skeleton Technologies)。エネルギー密度が高い(蓄電量が大きい)リチウムイオン電池と、寿命が長く高い出力密度を有する電気二重層コンデンサ(ウルトラキャパシタ)のそれぞれの長所を組み合わせたエネルギー貯蔵の研究開発を行う。インダストリー4.0を活用し、コンデンサの費用の大幅削減も目指す。同社は、連邦政府およびザクセン州から総額5,100万ユーロの助成を受ける。もう1社はリオフィット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Liofit)で、電動アシスト自転車やEスクーターなど小型モビリティ用リチウムイオン電池のリサイクルを研究する。経済・エネルギー省によると、ドイツ国内では現在400万台を超える電動アシスト自転車が利用されており、今後、大量の蓄電池のリサイクルが必要となる見込み。同社は、284万ユーロの助成を連邦政府とザクセン州から受ける予定だ。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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