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2021年のマクロ政策は安定・継続重視、政策転換急がず、小規模・零細企業支援を継続

(中国)

北京発

2021年03月09日

中国の第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議で3月5日に草案が公表された「政府活動報告」は、2021年の重点分野(全8項目)の筆頭に、2019年と2020年に引き続き、マクロ政策を挙げた。2021年のマクロ政策は、継続性と安定性、持続可能性を保ち、政策の急転換をせず、企業が苦境から脱却することを引き続き支え、必要な支援を維持することとした(重点分野の詳細は添付資料表参照)。

財政については、積極的な財政政策の質・効率の向上を図り、より持続可能なものとする必要があるとした。2021年の財政赤字の対GDP比は、新型コロナウイルス感染抑制や経済の回復を考慮して、2020年(3.6%以上)よりわずかに低めの水準の3.2%前後〔財政赤字額は3兆5,700億元(約60兆6,900億円、1元=約17円)〕とした。地方政府が発行する専項債(地方特別債)は、3兆6,500億元分(前年比1,000億元減)発行するとした。いずれも2020年からは小幅な減少にとどまった(注1)。

税制面では、小規模納税者(注2)の増値税の基礎控除額を月間売り上げ10万元から15万元に引き上げるほか、小規模・零細企業と個人事業主に課す企業所得税について、年間課税所得が100万元までの部分に対して、現行の優遇策の基礎の上にさらに徴収額を半減する。

金融面でも、小規模・零細企業向け融資の元利払い猶予措置の延長や、小規模・零細企業向けの融資保証料の軽減に対する奨励・助成措置の延長、小規模・零細企業を対象とする決済手数料の引き下げなどにより、小規模・零細企業の資金調達の円滑化と調達コストの引き下げを図る。

さらに、企業のコスト引き下げ策として、一般工業用・商業用電気料金の引き下げを引き続き推進することや、新型コロナウイルス感染の影響が大きい地方がサービス業界の小規模・零細企業と自営業者に対して、国有不動産賃料の減免を行うよう奨励することも盛り込んだ。

国務院研究室の孫国君氏は、中国には約3,000万社以上の中小零細企業、9,000万以上の個人事業主がおり、これらが都市部の就業者(4億4,000万人)や農民工(出稼ぎ労働者、2億9,000万人)の雇用の相当程度を担っていると指摘した上で、優先課題である雇用の安定や民生の保障を行うためにも、こうした市場主体を支援する一連の政策が必要と説明している。

(注1)2020年に1兆元分が発行された新型コロナウイルス対策特別国債については、2021年は発行しないとした。

(注2)増値税における納税者区分であり、年間売り上げが一定の基準額以下の者。

(小宮昇平)

(中国)

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