ASEAN経済相非公式会合とASEAN経済統合高級タスクフォースが開催

(ASEAN、ブルネイ、タイ)

バンコク発

2021年03月05日

ASEAN議長国のブルネイの発表によると、ASEAN経済相会合(AEM)リトリート(非公式会合)が3月2日から2日間にわたり、オンラインで開催された。議長を務めた、ブルネイのアミン・リュー総理府相兼第2財務・経済相は「新型コロナウイルスの感染が抑制されない中、本格的な復興にはASEAN経済共同体(AEC)の統合アジェンダに基づき協力を続ける必要がある」と述べた。

同会合では、1月のASEAN高級経済実務者会合(SEOM)リトリート(2021年1月19日記事参照)で提案された3分野・10の優先経済デリバラブル(PED)が承認された。主な内容は以下のとおり。

そのほか、ASEAN包括的復興枠組み(ACRF)や、2021年の各分野別機関(セクトラルボディ)の優先取り組み事項などAECの進捗、2025年以降のAECビジョン策定、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の批准やASEANインド物品貿易協定(AITIGA)の見直しの進捗などが議論された。

ASEAN加盟国間の紛争解決に向けた独立委員会の設置検討

AEM非公式会合に先立つ2月22日、第39回ASEAN経済統合高級タスクフォースが開催された。ASEAN包括的復興枠組み(ACRF)の実施の加速、感染症発生時に自由流通させる必需品(医薬品や医療機器・医療用品など)リストの拡大、ASEAN経済共同体(AEC)ブループリント2025の中間評価、2025年以降のAECビジョン、第4次産業革命(4IR)枠組みなどが議論された(タイ商務省貿易交渉局発表)。また、湾岸協力会議(GCC)をASEANの潜在的な対話国とすることで合意がされ、今後、両経済圏での協力の開始が示唆された。

ASEAN循環型経済枠組みの議論では、タイは同国のバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済の取り組みを紹介した。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(ASEAN、ブルネイ、タイ)

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