新型コロナの感染急拡大で外国人の入国受け入れを停止

(フィリピン)

マニラ発

2021年03月19日

フィリピン国家タスクフォース(NTF)は3月16日、国内での新型コロナウイルスの感染急増を受け、3月20日から4月19日にかけて、外国人のフィリピンへの入国受け入れを停止すると発表した(19日発表の日程変更について注1参照)。また、同期間における国際線でのフィリピンへの入国者数を1日当たり最大1,500人に制限することを決定した。同日、フィリピン政府は、3月18日から4月18日にかけて、ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)での入国者数を1日当たり1,500人に制限するよう、関係機関に対して指示した。

3月に入り感染者が急増、自治体ごとに局所的なロックダウンを実施

3月以降、フィリピンにおいて新型コロナウイルス(以下、「新型コロナ」)の感染が急拡大している。新規感染者数は3月1日に2,037人だったが、その後、上昇基調が続き、3月15日には直近の6カ月間で最も多い5,404人、翌17日も4,387人となった。こうした急激な感染拡大に対して、政府・自治体は警戒感を高めている。

感染者数が多いマニラ首都圏では、さらなる感染拡大を防ぐために、全域で3月15日から3月31日まで午後10時~午前5時の外出を禁止している。さらに、外出可能な住民の年齢を18~65歳に制限する措置を3月17日から導入した(政府通信社3月16日)。マニラ首都圏内の自治体では、管轄地域で感染が急増する地域において、バランガイ(最小の地方自治単位)など、細かな単位で局所的なロックダウンを実施している(パサイ市、マカティ市、マニラ市、ケソン市など)。

コミュニティー隔離措置(注2)に関して、3月16日時点でマニラ首都圏、バタンガス州、ラナオ・デル・スル州、コルディリエラ地域(アパヤオ州、カリンガ州、マウンテン・プロビンス州、バギオ市)およびタクロバン市、イリガン市、ダバオ市において比較的緩やかな隔離措置のGCQ、その他の地域においては最も緩やかな隔離措置のMGCQを運用している(2021年3月2日記事参照)。政府は感染拡大を警戒しつつも、経済へのマイナスの影響を考慮し、強硬な隔離措置実施について慎重な姿勢を示している。ロケ大統領府報道官は3月15日、病床数に余裕があることを言及し、マニラ首都圏での隔離措置を3月中に厳格化する予定はないとの見解を示した(政府通信社3月15日)。

(注1)NTFは19日、外国人の入国禁止期間を修正し、3月22日から4月21日に実施すると発表。

(注2)最も厳格な隔離措置から順に、ECQ(強化されたコミュニティー隔離措置)、MECQ(修正を加えた、強化されたコミュニティー隔離措置)、GCQ(一般的なコミュニティー隔離措置)、MGCQ(修正を加えた、一般的なコミュニティー隔離措置)。最新のコミュニティー隔離措置ガイドラインについては、「フィリピンにおけるコミュニティー隔離措置の最新状況(2021年3月24日更新版)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」参照。

(吉田暁彦)

(フィリピン)

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