12月の電子機器輸出額、携帯電話を中心に過去最高

(インド)

アジア大洋州課

2021年03月18日

インド商工省・商業局が公表した貿易統計データによると、2020年12月の電子機器の輸出額が過去最高の880億6,000万ルピー(1,320億9,000万円、1ルピー=約1.5円)に達したことが分かった。このうち、携帯電話(スマートフォンを含む)が306億1,000万ルピーと35%を占め、新型コロナウイルス禍前の2019年12月の208億2,000万ルピーと比べ、1.5倍に上った。

インド政府は国内製造業振興策「メーク・イン・インディア」の下、「2019年版国家電子産業政策(NPE2019)」で、2025年までに電子機器の設計製造分野のバリューチェーンで4,000億ドルを達成する目標を掲げ、インセンティブ・スキームを通じた支援を行っている(2020年5月21日記事参照)。

インド携帯電話・電子機器協会(ICEA)は3月2日、今回の輸出額増加の背景として、電子機器分野に対する国内生産製造品の売り上げの増加額に対して補助金が付与される連動型インセンティブ(PLI)スキームがあると分析した。

同スキームによる補助金の支給対象には、アップル(米国)の製造受託を行うフォックスコン(台湾)、ウィストロン(台湾)、サムスン(韓国)、地場のラバ(Lava)、ディクソン(Dixon)などが選ばれ(2020年10月13日付記事参照)、生産を拡大している。

インドで製造した携帯電話の主な輸出先は、アラブ首長国連邦(UAE)や米国、ロシア、南アフリカ共和国、イタリア、近隣のの南アジアの国々だ。商品ブランド別に輸出額を見ると、サムスンが最も大きく、シャオミ(Xiaomi)、Vivo、OnePlus(中国BKKエレクトロニクスのブランド)など、サムスンを除けば低価格帯のモデルが多い。地場ブランドのラバも輸出額トップ5ブランドに入っている(「タイムズ・オブ・インディア」紙2020年11月24日)。

(坂本純一)

(インド)

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