韓国経済界が経団連に書簡を送付、東日本大震災10年の節目に

(韓国、日本)

ソウル発

2021年03月11日

韓国の全国経済人連合会(以下、全経連、日本経団連に相当)の許昌秀(ホ・チャンス)会長は、東日本大震災発生から10年となる3月11日、日本経団連の中西宏明会長宛に、震災当時を振り返り復興をねぎらうとともに(注1)、新型コロナウイルスからの経済回復のため、未来志向の両団体間の対話と事業の推進を提案した。

全経連は2021年に創立60周年を迎え、日本経団連や米国商工会議所など世界の経済団体との連携強化を通じ、新型コロナウイルスの影響による世界経済危機から早期の克服に積極的に取り組みたい考えを表明した。

具体的には、日本経団連に対し「経団連・全経連首脳懇談会」の開催、両国間の企業関係者の出入国制限の緩和、ESG分野(注2)での協力など、両国経済界共通の利益の追求を提案した。

最後に、許会長は、日本と韓国は自由民主主義と市場経済の価値を共有する最も重要な隣国であることを強調しつつ、両団体が相互に交流と協力を強化することを提案した。また、東京オリンピックの開催と成功も祈った。

(注1)2011年3月23日に許会長が在韓国日本大使館を訪問し、震災被害に対する復興支援として、大韓赤十字社に3億ウォン(約2,880万円、1ウォン=約0.096円)を寄託。

(注2)ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもの。これら3つの取り組みに配慮して事業活動を推進しているかどうかは、企業評価を測る1つの指標として使われている。

(当間正明)

(韓国、日本)

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