ムンバイ市内、無作為抽出で新型コロナ抗原検査実施へ

(インド)

ムンバイ発

2021年03月29日

インド・マハーラーシュトラ(MH)州ムンバイ市は3月19日、人が混み合う施設で新型コロナウイルスの迅速抗原検査(RAT:Rapid Antigen Tests)を実施すると通達した(添付資料参照)。ムンバイ市を含むMH州各都市で新型コロナウイルス感染の再拡大が深刻化しており、先に通達した集会禁止や標準作業手順の違反者に対する罰則の強化(2021年3月22日記事参照)に加え、検査態勢を強化することで感染拡大を抑制したい考えだ。

今回の通達では、大型ショッピングモールや主要な鉄道駅、バス停、レストラン、市場、役所、観光施設など混雑が予想される特定の施設で、無作為に選ばれた来訪者はRATを受診しなければならない。検査費用は原則無料(行政負担)となっているが、ショッピングモールでの検査は250ルピー(約375円、1ルピー=約1.5円)を受診者が負担しなければならない。検査を拒否した場合には罰則を科される。

在ムンバイ日本総領事館が市行政当局関係者に確認したところ、「72時間以内に検査したPCR検査の陰性証明を所持している者や、ワクチン接種が2回終了した者については、証明書の写し(電子ファイルも可)を提示した場合、RAT検査が免除される」とのことだ。また「検査自体や検査料の支払いを拒否した者は400ルピーの反則金処分が科せられる」という。指定された施設には在留邦人が多く利用するモールなども含まれており、総領事館は注意喚起している。

ムンバイ市は無料PCR検査も含めて検査態勢の拡充を図っており、1日当たりの検査総数目標を4万7,800件とする。ムンバイ中心部の花卉(かき)市場では3月20日、215人がPCR検査を受けた結果、6人が陽性となり隔離施設に送致された(「タイムズ・オブ・インディア」紙3月21日)。

ムンバイ市のアクティブ患者数(注)は3月16日時点で1万5,000人強となったが、22日には2万5,000人を超えるなど、再び感染が拡大している。在留邦人は市中での急な検査指示の可能性を想定しつつ、感染予防に努める必要がある。

(注)感染者数から回復者数と死者数を除いた数。

(比佐建二郎)

(インド)

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