韓国で保管されているLINEデータ、日本に移管へ

(韓国、日本)

ソウル発

2021年03月25日

LINEが3月23日に発表した、海外への業務委託や新たなデータ管理対策について、韓国の複数メディアは、(1)LINEが日本の「国民的メッセンジャーアプリ」として、8,600万人が利用している、(2)同社が開発業務を委託した中国企業の従業員が日本のサーバーに保管されている利用者の名前、電話番号、電子メールアドレスなどの個人情報へのアクセスが可能で、個人情報が流出する恐れがあるとの指摘が提起された、(3)韓国のサーバーに保管されているメッセンジャーサービスの写真、動画とLINE Pay決済情報など、全てのデータを含め、2021年9月までに順次、日本に移管する旨を報道した。

韓国の個人情報保護法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、個人情報に関する概念について、「個人情報」「仮名情報」および「匿名情報」に区分し(第2条、第58条の2)、「匿名情報」を除いたこれら情報が安全に保護されるよう規定している。個人情報処理者の故意または重過失による損害が発生した場合、法定損害賠償制度(第39条の2)に加え、懲罰的損害賠償制度(第39条)などの措置が規定されている。また、個人情報が流出(権限を有しない者からのアクセスを含む)した場合の初動措置として、以下の区分に従い、当局への申告が義務付けられている。

1.個人情報処理者(第34条)

(1)申告基準:1,000人以上の個人情報が流出した場合

(2)申告期限:遅滞なく(5日以内)

(3)申告内容:情報主体への通知有無、流出した個人情報の項目および規模、流出した時点と経緯、対応措置および結果など

2.情報通信サービス提供者など(第39条の4)

(1)申告基準:1人以上の利用者の個人情報が流出(紛失・盗難・流出)した場合

(2)申告期限:遅滞なく(24時間以内)

(3)申告内容:利用者に対する通知有無、流出した個人情報の項目と規模、流出した時点と経緯、対応措置など

3.企業および団体(信用情報の利用および保護に関する法律外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます第39条の4)

(1)申告基準:1万人以上の個人信用情報が流出(漏えい)した場合

(2)申告期限:遅滞なく(5日以内)

(3)申告内容:信用情報主体への通知有無、流出した個人信用情報の項目と規模、流出した時点と経緯、対応措置と結果など

(当間正明)

(韓国、日本)

ビジネス短信 ae274cc0ec824873