2020年の経常収支、黒字に転換

(パキスタン)

アジア大洋州課

2021年03月04日

パキスタン中央銀行は2月22日、2020年の国際収支統計を発表した。経常収支は前年比73億ドル増の2億ドルで、これまでの赤字状況から黒字に転じた。貿易収支など構成項目の全てで赤字額が前年から減少したことに加え、パキスタンへの出稼ぎ労働者による送金額の増加を中心に2次所得収支が黒字額を積み増したことが寄与した(添付資料表参照)。四半期ベースでみると、年前半こそ経常収支は赤字が継続していたものの、後半の経常収支は黒字に転じた。

企業買収や株式投資など対外金融資産・負債の増減を示す金融収支は、21億ドルの赤字(純資産の減少)ながらも、赤字幅は前年から93億ドル改善した。内訳をみると、赤字の要因は、21億ドルの赤字となった直接投資収支の影響が大きい。国外からパキスタンの株式や債券への投資を表す証券投資については、国外からの証券投資の引き揚げによって、14億ドルの黒字となった。

(新田浩之)

(パキスタン)

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